第11話
【見たくも無いさ】
幼き日の死蔵品、それは醜く、ぐずりと身のうちの塞がりかけた傷跡を抉る。
悲愴と悲惨と陰鬱の合いの子、それが最も相応しい。
甘さも、時による風化も無い。幾ら過ぎたとしても思い起こすだけで、ぎしぎしと虫唾の走るような実に厭な記憶だ。
開いた箱の内側に、凝る嘗ての怨嗟の目
鈍く痛んだ瘡蓋と、鼻を擽る饐えた香と
噎ぶ口腔拡がる胃酸、はたり伝わり雫墜つ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます