第46話 俺は他界しちゃった~ (9)

「あああ、それなら心配しなくてもいいよ。お金の方はどうにかなるから心配しなくてもいい……。だからあんたは、心配しなくてもいいからね……」


 和の妻はこんな感じで、新居の為に用意をしなくてはいけない敷金礼金の方は大丈夫だからと告げる。


 だから和自身も、妻の手際の良さに安堵して、「そうか……」とだけ、言葉返した。


 う~ん、でもね、今迄いい加減な生活をしてきた和だから、妻の余りに手際の良い行動に対して、『可笑しいな?』と不信感を募らせ注意深く妻や子供達の様子を猜疑心のある目で観察をしないといけなかったのに安堵をした生活を送る……。


 まあ、彼は仕事以外の私生活に関しては、時計男であり。結婚してからは、仕事が終われば飲みにパチンコ、競馬に競艇、競輪……。


 まあ、宝くじすら購入しないで帰宅する程の妻と家族一筋の男だったから。


 これから数日後に起こる自身の身にかかる不幸に対して、今は予想できないでいるし。起きても全く何もできないのだ。


 彼にとっては余りに予想外……。他人事だと今迄思っていた出来事が起こるから。起きても彼は対処ができない。


 まあ、傍から見ている者達が後々説明をしていくが。


 今その件の話しをしてしまえば、傍から見ている者達も面白くないと思うから。取り敢えずは順序良く、和の夢のマイホーム売却の件から話しを進めて行くね。


 ではさようなら~。



 ◇◇◇◇◇

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