第五話 前説 父親同士知り合いだったお知らせ

 長谷川はバイトを終らせて、荒野原と今日も仲良くレアスナタをしに、ゲートへと向かっていた。


「今日のロール、俺は内容を聞かされていないんだが」

「私も、あゆさちゃんが私達の両親を、ゲーム内で合わせたらしいんだけど」

「ああそうなの? まあ縁の過去云々のロールだろうけども」

「うん、私も詳しくは聞いてないんだけども、私らのお父さんは数十年以上のネット友達らしい」

「んん? どゆこと?」

「あゆさちゃん曰く、私のお父さんは高校生の時から、長谷川君のお父さんが、高校生時代に書いていた同人誌のファンらしい」

「ふむ」

「お互いに、私生活には干渉しないようにしていたらしいよ」

「ほーこれはまた数奇な運命が」

「んでその日は、2人でどんちゃん騒ぎをして親睦を深めたそうな」

「それは楽しそうでなにより」

「ロビーであゆさちゃんが説明してくれるらしいから、少し急ぐ?」

「いや、ゆっくり歩こう、急ぐ気持ちはあるけれど、待ち合わせには十分間に合うし」

「んじゃ、手を繋いごう」


 荒野原は有無を言わさずに、長谷川と手を繋いだ。

 恥ずかしそうな長谷川の手を引いて、2人はゲートへと向かう。

 受付を済ませレアスナタへとログインをして、妹を探す。


「おーい、兄貴に姉貴、こっちこっち~」

「こんばんは絆ちゃん」

「ういっす、我が妹よ」

「こんばんは、早速だけどロールの説明するね?」

「頼む」

「おふたりには過去に行ってもらいます」

「唐突だな」

「結婚式に使う宝石を、過去のお母さまから貰ってきてくださいませ」

「って事は、縁とスファーリアは過去で何かを成し遂げて、その宝石を貰ってくるって感じか?」

「ええ、話が早くて助かりますわ」

「絆ちゃん、皆はもう準備出来てるの?」

「はい、おふたりの準備次第ですわ」

「序盤の入りと目的を教えて」

「はい、絆に呼び出された縁とスファーリアは、過去へと行ける神器の有る場所に呼び出されたる、目的は過去の縁の父を助けるため」

「それさ、絆との会話カットでいいんじゃないか? 始まりは過去からで、絆から聞いたって事にしてさ」

「はい、構いません」

「そこカットするなら、入りが変わるね」

「それなら大丈夫ですわ、過去に行ったら自然に巻き込まれますから」

「おおう、巻き込まれ主人公体質だったか」

「早速開始しよう」

「だな、絆、招待を頼む」

「もう送っておいたよ、行ってらっしゃいな」

「おっ、ありがとう」

「行ってきます」


 縁とスファーリアはメニューを操作して消えた。


「さてはて、私も裏方としてお仕事にまわりましてよ」 


 絆もその場から消えたのだった。

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