第29話
蒼空を翔たくて見上げた夏の空
風を集めて散歩する虫たちは
咲き誇る花の周りを
訪ねては蜜を思いきり頬張っている
なけなしとびきり笑顔は今夜の庭のお祭り
はしゃいだ終わりにあの子にあげる
街の外れの背伸びした路地を
やがては暮れる一日に
ラムネの空ビンのひび割れた玻璃越しに
忘れ物が海を泳いでいたんです
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