【足跡】

大人になれば全て捨ててしまう

空の弁当箱に詰め込まれた

動物園の思い出 汚れた包み紙とも

代わりには空虚な重し

雨の匂いが好き水たまりに映った世界

煩いだけの涙も 留まる意味を知らなかった

吸い込まれていく つみとほこり

亘り鳥たちは何処へ行ったか

求め続けるのが 鏡合わせの世

使われないさえばしに止まった小蝿

一風変わった折り紙は 転に浮かぶ

壊れた玩具より魅力はあった

面白くもなんともない からわらい

泊まりに来た欠片達

それは光 何も無いはずの部屋に

簡単に手を繋げる意味のない握手

響いている 懐かしい祭囃子

夢を見る骸 孤独 ごめんなさいと

はしらない隙間風 藍色の空

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