【風香(ふうか)】

暑苦しい夜永すら

聲を枯らし番を喚ぶ空蝉達

あい が あたりまえ に かわり

あわせ が なく に均さる


天はめまぐるしく

ぬらぬらと月に被さる白雲が

縁底は虚しさ空しさ

渇いているとも濡れているとも

どうにもこうにも未知に誘う

絖りの風が流して昏れる

斜陽ばかりを望んで生きる

何時の間にやら今と逝く

是も又薄明と

くらくらと倒れ込み

滔々と光が包む

明けの明星が翳を湿し

此刻告

わたしのすがたは。

屹度何処にもいない

何時までも戦いでいる時に誘われ。

流される塵芥と游ぶ 水面の輝き

はやまわしてもしまいたく

おわりをいただければとも 候


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