【雪いでは泥を塗る】

予告もなしに雪いでは泥を塗る

引き下ろすは憂愁の美で締め括れ


まず惹き逢うのは行方をくらまし、命を捨て去る覚悟で

誤解を手招く 詐欺師と軍医 猿芝居 とくとご覧あれ


モンスーンに到達し 弾き返す仕合い中々の手練れ

無事 匣に納まる釣り糸とは垂らされ

くらい尽くして辛りとわらう ながしこまれた マテリアル

明るみは続いていき うみとみちた。

逆接のアクションシーンは陰も陽も 引き契る 生々し

鼻を突くほどに哀愁を漂わせ非情にも臭い

彼らの宝石は昼光色 張り倒す面はにやけている


放蕩息子は乗り気次第と将来が決まる棒グラフ

洗脳とも思えるクーラー日誌に書き留められた思案に月

分け隔てなく心を凍らせ褥と筆を織る

乾季の樹海に巣食う点描画を無碍に繋いでゆこう

火あぶりの幻灯をあたたかく終われ簡単に淘汰する

悪循環の欠伸


ドローンで見下げた仏頂面も空カラ笑う新たな道筋を

見つけた地下水は春の涙で滾り 転落を掬う欠けためおと

どんぶりに浮す 上りも下りもしこたまちょうだいな

千羽鶴は奔る風にくすくすと滑った

表層を繋ぐひょろ長い席を蹴って優越を抱き込むアベック

どぎつい風潮に紛れ、丁度いいと察する人柱の傷

羽翼を伸ばす塩漬けのニシンたち

荒れ狂う海の艦隊を沈める 盗っ人囲いひと危機存亡の秋


特価本とも袋とじとも。執念深く卑し図太い廃屋

およびごし品質はイマイチかつかつの生活

順風満帆の魔物に犯さる熱波奮う雨あられも雨上がりに唄う

雨女 水入らず、括として流動する箱入り 命乞い

ぶっ続けで触詞が動く 麗々しいと繋ぎ止める上品な渇望

切り取り線はミシン目に由来する

負けん気の強い防犯ブザーは愚民どもの宴今日もままならず

やむを得ず口添える陽気に欲深い唯のケダモノたちの天井あまい


外はやはり闇だ 安定の未来は風の行方と触れる。



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