【上澄みに掬う】

桑畑で糸を紡ぐ無縁仏

率直な乾燥は草も栄えない


楽に指で解したとき

闇夜を溜め込んだ風の髪。

結われたベールも朝糸も涙で蕩け

甘い蜜を蝕し空を迎える希望のクレヨン

やかましい銅鑼に懐を閉じる


そもそも奇怪に歪んで詠うのは

浅葱色の太陽と杯被りの月

犬猿の仲ですから羽ばたく原因を創る

朧げな蝶は今宵も身を粉にして空を舞う


天を分断する銀のスプーンは

ほど枯れた土を救い続ける


説きもうまくできない時計に変化したまま。


薬指で巻き戻す魔法の指輪は欠片と亡くし

煌々と輝る、裸の電球は眩んでは息を吐く


寄せられた蛾蟲と対を成し

何時までも捨てられず巣食う

腐った蟒蛇は宵に徘徊するだけ。


雪の結晶はいつまでも

この胸に綺麗な灰を満たしていること

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