【汲汲】

熟れた夏季

飛行機雲は光を分断する

昏い喰らいと啼いて


さあ、フェードアウト。

さよならをしよう、

あばたえくぼの類。


穴埋めしたのはあてずっぽう

リトマス試験紙のイロハ

鏡面反射で未知になる


胸が塞がるほどの彩で混迷した

蜃気楼はふたりに相応しく

空蝉花火と痴れ観合う

海路に玉藻は茹だち濡れ達する


黄昏に染まってしまう

皆々幽玄のアクア

積もる雪逝きに憩う


まだまだ秋色飽き彩シンパシー


馴染み手捌き哀調の意

今今いっときハンドメイド

遠く及ばない思いだけが先走り

満ちて翔けるにはやはり早い

月は焼き焦げてこいこい

天に恋乞うと酔いに宵に


楔に打ち付けられ負かれる

今好いの弧線は揺蕩い地に

落ちる陰に

ありがとさん。って

一日の終わりに眼球を潰す

此の裸電球は罵り腕で事場てわらう


汲汲きゅうきゅう





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