第22話 【宵闇空渡し】

 瞼の裏側は想いの星が刻まれて瞬く間

 なあなあのアナウンサーの垂れた雑音が消える

 替りに 血液が循環する拍が心を絖尽くす

 よくやったね偉いね って

 今日一日を自分で撫でて欲しい

 本当は誰でもいいけどひとりぼっち で

 詰めたくても入らないから

 あったかいお風呂に叱ってもらおう

 泪 洗い流して 夜。


 世界の吐息を隠すためイヤホンに浸る

 好きなイロに包まれるけど全く聞いてなくて

 結局は自分の煩い心臓を掴みたいだけなのだ。

 そうやって苦しいでしょって

 幸せに溺れて 泡沫のようにみせかけで

 現実は外れて絞まって自分に慣れあって

 月並みに雑踏に流されていく

 それが事の調べ。

 当然なのに納得できない狂い時計

 かちこちとあちこちらそっちどっちへ

 続きは床に繋がる 私

 おつかれさま ね、 渡して。


 何も無い見得ない夜空は怖い。

 ふたり流星群を見にいって 隣で眠る彼 お疲れ様。

 空から落ちてゆく光に もう怖くて怖くて。

 月も隠れる闇の中

 星が宙に満開の閃を瞬かせ

 幾つものせんを描き出す 歴史が其処に奔る

 虫の音の静寂が煩いほど鎮まり還って。

 ひとりではどこにいるのかわからなくなる。

 眩むほど惹かれて元素に還る。返還

 ぎゅっと握ってて欲しかったのに。

 さようなら

 流れ星 願いは何だったのかしら


 やっぱりひとりぼっちはじゆうでここちよい

 いつでもしあわせにいだいてくれる夢に

 今 続きを明日に期待している

 おやすみなさい

「よいやみからわたし」



 

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