ひなたと僕、デートの帰り

焼けたね


君の声帯から空気へ

そして、僕の鼓膜へ

ふかくふかく傷つけられました

全治二ヶ月なんてものじゃなく

一生なおることはない

慰謝料を請求します


このはの隙間を通ったひかりを

木漏れ日と呼ぶのなら

そう言って、このはを腕に貼り付けて

木漏れ日を身体に刻みつけていた君には

理解できないだろうけど

あの刺青はもう消えましたか?


わたしは太陽と絶交したいです

あんなに眩しく輝いて

いつも頭の上にいる

みんなに恵みを与える彼と

どうにか縁を切りたいです


同じように思っている人は

きっと大勢いるはずで

そうでなければあれほど多く

彼を拒絶する道具が存在するのは

おかしなことと思えます


彼はひとりで

わたしたちはたくさん

揃いも揃って長きにわたり

彼を避けようと努力する

過去最大級のイジメです

かわいそうだと思いませんか?

声をあげましょう

さあ0120-0-78310へ


汗で流れる日焼け止め

君は笑顔がとても明るく

僕はそのひかりに焼かれたい

タトゥーを入れたがる本能が

あそこで少し休もうか

奥の方の、日の当たらない席で

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