自分に欠けてしまったものが どこかに隠れた気がするのです 『みちゆき』
みずみずしかったな 昔のほうが
自分の書いたものを見て思う
昔はみんなみずみずしい
それはそうかもしれないけれど
自分に欠けてしまったものが
どこかに隠れた気がするのです
なくして目に見えなくなって
知らず知らずに消え失せた
心が老いてしまったような
恐れが胸のうちにあります
やわらかな心はどこにあるのか
どうしたらやわらかくできるのか
昔はちゃんと知ってた気がする
好きなように生きてた気がする
もう戻れないのを知りながら
前に進んでいくしかないのに
得難いものをなくしたようで
焦りばかりが募ってきます
出涸らしかもな 自分はもう
こんなことばかりを考えます
思考はぐるぐるぐるぐるまわって
マイナス方面に傾くばかり
何のために書いているのか
それは書きたいものがあるからで
評価をもらうためじゃなく
自分を知ってもらうため
だったのに
手段と目的が入れ替わっている
"誰かが少しでも読んでくれれば"
それでいいという理想は夢想
乾いた心は満たされないまま
みずみずしかったな 昔のほうが
そう考えるのは乾いた自分
もとからなんにもなかったのかな
今日も迷宮を出られない
190331
原題『Knot』
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