十四
「私、生みの親の顔さえ知らんけど、凪って名前はその生みの親が付けてくれたみたい。お母さんが、あっ、育ての方のやで、教えてくれた。名付けた意味も教えて貰って、凪という言葉自体は波風が止むっていう意味やけど、その心は、日中は海から陸へ風が吹いて、夜になると反対に陸から海に向かって風が吹く。凪っていうのは海風と陸風の風向きが変わるほんの短い時間帯にある。どっちに吹く風も冷静に見極められますように、あるいは自分で風を起こしてもいいって。分かりにくいっちゅうねんな」
「いや、いい名前だと思う」
「まあ、そうは思ってんねんけどな」
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