105話〜謎の神
ここはシェイナルズ城のマグドの書斎。マグドは机に肘を付き両手で頭を抱え下を向いて悩んでいた。
すると扉を叩き部屋にマリエスが入ってきた。
マリエスはマグドの前に来ると一礼をした。
「ん?マリエスか。お前がクライスを通さず、直接ここに来るとは珍しいな。」
「はっ!陛下、急ぎ直接耳に入れた方がいいと思いましたので。」
「ふむ、何があった?」
「私はクライス様の指示で、レオルド様を監視しておりました。そのおり偶然にも耳寄りな情報を得る事が出来ました。」
「そうか、それでどの様な情報なのだ?」
マリエスは、レオルドが話した過去の話と、この城の研究施設を利用しブラットの力を解明しようとした事とかをマグドに事細やかに話した。
「そうなるとレオルドは……なるほどなそういう事か。マリエス、間違いなくレオルドが神と会話が出来ると言っていたのだな?」
「はい。私がその時に聞いた神の名は、確か……女神ブルーノア様だったかと。」
マグドは少し考えた後、
「マリエス。そうなるとレオルドをブラットに持って行かれるのは痛いな。それにアレには勿体ない。うむ、レオルドを再びこちら側に引き込みたいが。ただ、あのガルドがいては困難だろうな。さて、どうする……。」
「陛下、餌で釣るというのはいかがでしょうか?」
「餌で釣る?うむ、なるほどな……しかし、何を餌とするのだ?」
「それは勿論。今レオルドが必要としているものでございます。」
「レオルドが今必要としているものとは……そうか、なるほど。だが、それには恐らくいらぬ者が1人付いて来ると思うのだがな。」
「確かに……そうなると他の方法となるとやはり難しくなるかと。」
「ふむ。そうだな……マリエス、ご苦労だった。後は他の者とも相談してみようと思う。お前は今日の所は休め、クライスに言っておく。」
「はっ!分かりました。それでは、お言葉に甘え今日の所は休ませていただきます。」
マリエスはマグドに一礼をし部屋を出て行った。
マグドはそれを確認するとまた頭を抱え、
(さて、どうする……。)
そう考えていると、神の声が聞こえ、
“フッ、マグド。何をそんなに悩んでおるのだ。”
(これは、今までどこにおられたのですか?)
“側にいる事が出来ずすまぬ。だが、我がお前に手を貸している事が他の者に知られては不味いのでな。”
(では、隠れていたという事なのですね。)
“ああ、そうなるな。それで、お前は何をそれほど悩んでおるのだ?”
マグドは今迄あった事を事細やかに話した。
“なるほど、我がいない間にそんな事があったとはな。”
“(なるほど、アヤツラがやけに動いているとは思ったが、そういう事か。それに、そろそろマグドにかけた術も切れる頃か……。)”
(それで、どうこちら側にレオルドを引き込むかと考えておりました。)
そして、その神とマグドは、しばらく話をし作戦を練っていたのだった…。
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