86話〜ラディスの死の真相
ここはスカイサージュの書庫。あの一件から2日が経っていた。
レオルドは何事もなかったように書庫の整理をしていた。
(ふぅ…ひとまずは、ネリウス様を欺く事は出来たが、これからどうすれば……。)
そう思っているとネリウスが入ってきた。
ネリウスはレオルドの側に来ると辺りを見渡した後、
「レオルド。まさかお前が本当に冒険者を殺すとはな。まあ、指示を出したのは私なのだがな。」
「ネリウス様、その事は……それよりも、今日は何の御用なのでしょうか?」
「そうそう。用という訳ではないのだが、お前には、いつも書庫の整理ばかりをさせていたのでな。そろそろ他の事も覚えてもらおうと思ったのだが。」
「他の事とは?」
「レオルド。その事については、ここではなく私の部屋で話をしたいと思うのだが。」
2人はネリウスの部屋に向かった。
(ネリウス様は何を考えておられるのか……。)
そう思っているとネリウスはレオルドを見て、
「レオルド。私は、お前の事を全て信じた訳ではない。分かるな!この先裏切るようであれば、どうなるか。」
「ネリウス様……わ、私が何故?裏切らねばならないのですか!あそこまでしたというのに……。」
「まあいい……。」
そう話をしていると、ネリウスの部屋に着き中に入った。
レオルドはネリウスの部屋に入ると、至る所に本などが置かれていたので驚いた。
「この本の山は、なんなのですか?」
「それは、お前が気にする事ではない。それよりも、レオルド。ある少女を監視して欲しいのだが。」
「少女を監視するとは?どういう事なのですか?」
「理由は聞くな。ただ、お前は私の指示通り動いてくれればいい。」
「分かりました。それで、いったい誰なのでしょうか?」
「その少女の名は、サアヤ=ワーズと言い、伝説の魔法武器の名匠と言われていたラディスの娘だ。」
「ネリウス様。ラディスといえば、確か1年前に何者かに殺されたのでは。」
「ああ、ラディスは、私の手で始末した。ある物を作らせていたのだがな。ある日、私の秘密を知ってしまい、そういう事になった。惜しい事をしたと思っているがな。」
ネリウスはレオルドをじーっと見ていた。
レオルドはその話を聞き、心の中で震え怯えていた。
「ネリウス様。そのサアヤを監視して、どうするのですか?」
「サアヤは、何も聞いていないとは思うが。いづれ、何らかの形で、それを知るかもしれぬ。」
「私が監視をし、もしサアヤがその事を知った時に始末しろという事なのでしょうか?」
「ああ、そういう事になるな。さて、今からその事を詳しく話そうと思う。」
「……はい。」
そして、ネリウスはレオルドに詳しく話したのだった…。
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