7話〜市場で買い物{改}

 ブラットは旅の支度を終え、フェリアと共に、足りない物を買い揃える為、市場に来ていた。


 物珍しいらしく目を輝かせながら、色々な商品をフェリアは見ていた。


「フェリアは、そういえばこういう所は、初めてなんだよな?」


「はい、こんなにステキな物が、沢山あるなんて……」


 フェリアは、ある商品の前で立ち止まった。


 その商品とは、花が細工されている、可愛い髪飾りだった。


 ブラットは、フェリアがその髪飾りを、見ている事に気がつき、


「フェリア、その髪飾り欲しいのか?」


 フェリアは少し寂しそうに、


「はい、欲しいのですが。私は、お金を持っていませんので、諦めるしかありません」


「フェリア良かったら、俺が買ってやろうか?」


「ですが、それではブラットの、お金が足りなくなるのでは?」


「フェリア、大丈夫。この店は知り合いがやってるんだ。聞いてくるから、ちょっと待てて」


 そう言うとブラットは、店番の男性に話しかけた。


「やぁ、グレン。今日は、お前が店番なのか?」


「なんだブラットか。珍しいな、お前がこんな所を、ウロウロしているなんて」


「まぁな。たまには……あ〜、いや、そんな事じゃくて。この髪飾りなんだけど、いくらなんだ?」


「ああそれか、可愛いよなぁ。って、お前にそういう趣味があったのか!?」


「おい!いくらなんでも、どこをどう見たら、俺にそんな趣味があるように見える?」


 フェリアが、その様子を見ていて、


「すみません。私が見ていたので」


「おい、ブラット。この綺麗な女は誰だ?まさか、お前の彼女って事は、無いよな?流石に……」


「まぁ、流石に、俺の彼女じゃない。だけど、これから一緒に旅にでる」


「えっ?ちょっと待て!お前が、女と旅にでるって?」


「ああ、やらないといけない事が、出来たんだ!」


 グレンは少し考えながら、


「なるほど。だけど、大丈夫なのか?お前は、俺に勝てた事、一度もなかったよな?そんなんで、その人を守って旅ができるのか?」


「それを言われるとなぁ」


 グレンは待ってましたとばかりに、


「どうよ!俺を連れて行くってのは?」


「お前を連れて行くって……それより、家を空けて大丈夫なのか?」


「長旅になるのか?」


「そうだな。いつ帰って来れるか分からない」


「そうか。ちょっと待っててくれ。親父に聞いてくる。それと、その髪飾りなら、俺が試しに作ったやつだから君にあげる」


 そう言うと、グレンは家に入って行き、ブラットとフェリアは、しばらくその場で待っていた。


 しばらくすると家の中からグレンが出てきて、


「今、親父と母さんに聞いてきたけど、なんか旅に出るのを認めてくれた。ただし条件つきだったけどな」


「条件って?」


「各地の色々な物を、みて来いってさ!」


「なるほど、勉強して来いって事か!」


「ああ、そうらしい。それでいいよな?ついて行っても?」


「フェリアどうする?」


「私は構いません。それに、問題はないと思いますので」


「それで、いつ村を出るんだ?」


「明日の朝には、ここを出ようと思ってる」


「分かった。じゃ待ち合わせは……そうだなぁ。明日の朝、村の入り口でって事でいいか?」


「ああ、それでいいと思う」


 グレンは思い出したように、髪飾りを手にとり、フェリアの目の前に差し出した。


「あっ!そうだった。この髪飾り持って行ってくれ。それと君の名前教えてくれないか?」


 フェリアは嬉しそうに、グレンから髪飾りを受け取り、


「私は、フェリアと申します。それと髪飾りありがとうございます。これは大事にしますね」


 フェリアは左側の髪につけた。


 ブラットはそれをみて、


「可愛い!」


 グレンは目を輝かせながら、


「いや綺麗だ!!まるで女神のようだ!!」


 そう言われ、フェリアは少し困った顔になり、


「それは……いいすぎでは?」


「はははははは……」


 ブラットは苦笑した。


 そして2人は、その場を離れ、市場で必要な物を買うと、ブラットの家へと向かった。

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