130話〜運命の別れ道〜タツキとグロウディス〜{★}

 

 ここは、名もなき城の中庭にある北側の祭壇。


 ここには、タツキとリッツとオルドパルスがいる。


 リッツは、オルドパルスの側で監視をし、うっとりしながらタツキの背中を見ていた。


(タツキの背中って、男らしくてカッコいいよなぁ)


 片やオルドパルスは、リッツとタツキを交互にみると考え始める。


(うむ。この2人は元々、知りあいだったようですね。ただ、どういう関係なのか気になりますが。今はこういう状況ですし、あとで聞きますか)


 タツキは、いつでも動けるように中腰になり、周囲の状況を見守っていた。


(ユウは敵を倒しながら、順調に妹のところに向かっているな。さて、俺はどうする?)


 そう思いながらタツキは、グロウディスのほうをみる。


(おい! あのグロウディスが、苦戦してるってどういう事だ?)


 タツキがそう思っていると、キースの異空間魔法がグロウディスを覆いつくし消し去った。


「って、グロウディスが!?」


 タツキはその光景をみて動き出そうとする。だがそのすぐあと、タツキのマジカルSフォーンが白い光を放ちブルブルと小刻みにふるえだした。


 それに気づいたタツキは、マジカルSフォーンを手にしたあとみる。


(白? ってことはグロウディス。だけど、どういう事だ?)


 タツキはそう思うと、グロウディスと通信するため、リッツにわけを話し物陰に隠れた。


(なにか、わけがあるってことなのか?)


 タツキは、マジカルSフォーンの魔石に手を添え話し始めた。


 すると、マジカルSフォーンからグロウディスの声が発せられる。


 そしてタツキはグロウディスから、なぜキースの攻撃をすんなり受けたのかと、これからどう行動するのかを聞いたのだった。


(なるほど。まぁグロウディスに、シェルズ城のほうは任せて大丈夫だろう。さてあとは、こっちがどう動くかだな)




 その頃グロウディスは、名もなき城の東側にある森の茂みで、キースがくるのを待っていた。


(タツキには連絡したし、あとは大丈夫だろう。だが、リッツは既にタツキの元にいる。

 まぁ、いなくても大丈夫だとは思うが、油断はしないようにしないとな)


 そう思いながらグロウディスは城を眺めている。


 そしてグロウディスは、キースが来た後どう行動するかを考えていた。

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