番外‥⑦〜異変

 コウキがこのゲームをやり始めてから3ヶ月が過ぎていた。


 コウキはリアが忙しく3日ぶりにログインしてみると、何故かギルド内の様子がおかしかった。


 コウキは気になり、ギルド情報を確認してみた。


(こ、これってどういう事なんだ!)


 そうリュウキとシュウが約2日もログインしていなかったのだ。


(これって?2人ともインしてないってあり得ない。シュウさんはたまにならあるけど、2日連続それも無断で休む事はなかった。リュウキさんは遅く来たとしてもインしなかった事はなかった。そうなると2人に何かあったのかな?)


 コウキは心配になり、ユウに確認した方が早いと思ったので、ログインしているのを確認するとそこまで飛んだ。


 ユウは噴水広場のベンチに1人で座っていた。


 コウキはユウをみつけると、


「ユウさん。聞きたい事があるんですけど。」


「あっ、コウキか。聞きたい事ってシュウの事か?」


「はい。シュウさんが2日もログインしてないなんて何かあったのかなって。それに、リュウキさんもログインしてないみたいだし。」


 そう言うとユウは少し間をおいてから、


「コウキ。実はな2日前、俺はいつも通りにログインしていた。そして、シュウが家に帰って来たのを間違いなく確認した。その数分後、大きな地震が起きた。それと、関係しているかは分からないけど、いつもなら、既にログインしている筈なのにシュウはいつになっても、ログインする気配が無かった。気になって、怒られるのを覚悟でシュウの部屋を覗いてみた。しかし、そこにはシュウの姿はなくパソコンのゲームのログイン画面が表示されていた。」


「それってどういう事なんですか?」


「シュウに何があったのか分からない。でも、あの時、間違いなくシュウが部屋に入ったのを俺は見てる。だが、誰もそれを信じてくれない。いや、俺はちゃんとまともに話せないから伝わらない。……それ以来ずっと、あっちこっち探してみたり、何処かでログインしてるんじゃないかとチェックしてる。……そういえばコウキ。今、リュウキさんもって言ってたよな?」


「はい。ギルド内の様子がおかしかったんで、メニュー画面を見たら2日もログインしてなかったので。ユウさんの話を纏めると。シュウさんは、まるでアニメの主人公みたいにゲームをしようとして忽然とそこから姿を消したんじゃないかと。恐らく、リュウキさんにも同じ事が起きていたとしたら。あ〜でも、これはあくまでも俺の推測なんですけどね。」


「コウキ。俺が言っている事を、お前は信じてくれるのか?」


「ん〜確かに非現実的で信じられないような話だけど。ユウさんが嘘を言っているようには見えない。だけど、もし本当にそんな事が起こったら大騒ぎになるんじゃ?」


「ああ、シュウがいなくなって、親が家出かもしれないと警察に捜索願いは出したみたいだ。」


「それなら大丈夫ですね。そうだユウさん、さっきの話を親や妹さんには話したんですか?」


「はぁ、コウキ。俺は前にシュウが言っていた通り、リアだと思った事をまともに話せない。」


「ユウさんて、もしかしてコミュ障なんですか?」


「ああ、そのおかげでリアの友人は1人もいない。何もなければほとんど一日中部屋に閉じこもりこうやってゲームをしてる。」


 そう話していると1人の女性が話しかけてきた。


「あの〜、すみません。人を探しているんですけど。」


 そう言われコウキはその女性の方を向きながら、


「人探しって何かあったんですか?それに、その人の名前はなんて言うんですか?」


「名前を変えてなければ、クロノア・ノギアだと思います。私は、その友人を探す為に何か手がかりがないか、このゲームにログインしてみたんですが。」


「ん〜クロノア……俺のフレにはいませんね。ユウさん、知ってますか?」


「クロノア・ノギアか。俺が知ってる人なら、このサーバーじゃなく他のサーバーだと思うけど。最近新サーバーに移ったみたいだから。」


 そう言うとユウはその女性にそのサーバーを教えた。


「そうなんですね。ありがとうございました。そうだ自己紹介まだでしたね。私の名前はマリースです。」


「俺はユウ・ライオルス。」


「俺はコウキ……マリースさん。ステータス見ると結構やり込んでるみたいですけど、ゲームは前からやってるんですか?」


「あっ、これね。前にやってたけど、仕事が忙しくなって辞めてたんだけど。先日の地震の時にクロノアがいなくなり、会社のパソコンがこのゲームのログイン画面のままになってたのを思い出して、気になって何か手がかりがみつかるかもって……あっ!そろそろ休憩終わるのでログアウトしますね。ありがとうございました。」


 そう言うとマリースはログアウトした。



 ……実はこの時既に2人は知り合っていたが、コウキもマリースもハクリュウとクロノアとして、数ヶ月後ギルドで会い異世界に来て、初めて2人はその事を思い出し知る事になる。



「そっか。でも……あ〜フレ登録忘れたぁ。既に落ちましたね。」


「ああ、そうみたいだな。でも、今の話を聞くとシュウと同じ事が他の人にも起きていた。」


「そうみたいですね。そうだとすると他にもいる可能性はありますよね。」


「そうだな。少し調べてみる必要はあるかもな。」


 ユウとコウキは他のメンバーやフレンドなどをチェックしたり、フレンドに聞いて歩き情報集めを開始した。

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