52話〜ユリナ女王様になる

 場所は移り、ここはユリナ達がいる部屋。ユリナはエマと戦っていた。


 そして、聖なる力を使おうと思い左手を掲げたが、何も起きなかった。


「えっ?なんなのこれって……なんの反応もないんだけど。」


「左手を上にあげて、何がしたいわけ?」


「ユリナ様。おかしい何故何も起きない。」


「アリスティアさん。ん〜、どうしてなのかな?仕方ない!力が使えないなら、今使えるの使うしかないか。」


 ユリナは急いで使えそうなスキルと武器を探し始めた。


 そして、ユリナはメニュー画面を開き探しているとある事に気づいた。


(これってどうなってるの?少しずつだけど、まるで私の本当のキャラからデータがそのまま送られてきてるみたいに……でも、今はこの事を考えてる余裕ないし、多分考えても頭が痛くなるだけだから、戦いに集中しよっと。)


 そう思っているとエマが攻撃を仕掛けてきた。


 ユリナは慌てて避け1番使い慣れている鞭を咄嗟に取り出しエマ目掛け攻撃をした。


 エマはその攻撃をかわし、炎を纏った数枚の魔法のカードをユリナ目掛け投げつけた。ユリナは魔法のカードをかわしながら鞭で弾き、すかさず鞭の連続攻撃を繰り出しエマを追い詰めた。


 エマは鞭の連続攻撃を避けながら、数本のダーツを取り出しユリナ目掛け放った。


 ユリナは自分に向かってくるその数本のダーツの動きを瞬時に見極め避けていたが、その内の1本だけ避けきれず右肩に刺さってしまった。


「い、痛!流石に思い通りとはいかないかぁ。仕方ない!ここで使うのはいやだけど、あのスキル使うか。」


 ユリナは鞭を両手で持ち上にあげると、


 《鞭スキル 女王様の連続乱れ撃ち!!》


 鞭が薔薇の鞭に変化した。鞭をしならせながら、エマ目掛け斜めに交差させ連続で攻撃をしていき、エマはその攻撃を避けようとするが、鞭の動きが余りにも速く目で捉える事ができずマジシャンのスキル【マジカルサーチ】を使い動きを感知していたが、それでもかわすのがやっとだった。


「ちょっ、何なのよこの攻撃は!」


 エマがそう言うと、ユリナは得意気になってしまい、いつもの調子で攻撃をしながら、


「オホホホホホ!さあ、私を女王様とお呼び!!そして、私の下僕となりなさい!」


 ユリナがそう言っていると、何故かそこに違う部屋でシグマと戦っていたはずのハクリュウが入って来ていて、その光景をポカンとした表情で口を開け呆然とみていた。


 そして、ハクリュウは我に返り、


「ユリナ!?お前まさか……。」


 そしてシグマもハクリュウを追ってここにきていた。


「ちょっ、ちょっと待て!なんだこの光景は?ププッ。こ、こりゃいい!エマが、エマが……おもしれぇ傑作だぜ。ワハハハハッ……。」


 そう言いながらシグマは右手で壁をドンドンと叩き腹を抱え大笑いした。


「クッ!シグマ笑うなぁ〜。クソォッ!」


 ユリナは目の前にハクリュウがいる事に気づき我に返り慌てて攻撃をやめた。


「あ〜えぇとねぇ。これはね。」


「ユリナ。まさかとは思うけど。」


「あ〜だからね。これは……。」


「なるほど。そっか、そういう事か。」


「はい!何が?」


 ユリナはそう言われハクリュウが何を言いたいか分からず聞き返した。


「いやな。その鞭スキル使うと誰でもそうなるのかと納得しただけなんだけど。ユリナお前は、もうその鞭スキル使うなよな。」


 そう言うとユリナはホッとしたが、ハクリュウのあまりの鈍さに呆れた。


(はぁ、ここまでお兄ちゃんが、鈍いとは思わなかったよ。まぁ、そのおかげで気づかれずに済んだけどね。)


 そう思っているとエマとシグマがいきなり攻撃を仕掛けてきた。

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