スキルと能力で異世界生活
創水聖菓
第1話 声とともに異世界へ
色司 聖菓(いろつか せいか)と言う少年は、随一の読書馬鹿だ。これは、そんな少年と少年に巻き込まれた彼女と+αの人達の物語である。
『20XX年 9月3日 書店出入口』
「今日は、いい買い物が出来た!家に帰ってからが楽しみだよ、でもその前に…」
書店から出てきた僕は、そんな独り言を言いながら自分の秘密の場所へと、足を運んでいた。そこは、森の中にある場所でベンチと大きな柱時計があって何故かわからないが、その場所は1年中気温の変化が少なく、誰も寄り付かない場所だった。
『秘密の場所』
僕は、普段どうりにベンチに腰かけて本を読んだ。
「やっぱ異世界って、いいなぁ」
僕が、書店で買った異世界系の本を読んでいると、
『キーンコーンカーンコーン』
と、誰もが学校のチャイムだと思う音が、午後5時を指す柱時計から流れてきた。
「相変わらずチャイムだよな。もう5時なのか。なら、あと1冊読んだら帰るか。」
あたりが薄暗くなってき、そんな事を呟きながら、バックから「異世界への行き方」という本をを取り出して読んでいた。
それからしばらくして、
「又、異世界ものの本を読んでいるの。星菓?」
と、話しかけられた。顔を上げるとそこには、ショートカットの小柄な少女が立っていた。
「なーんだ星宮か、ねぇ、星宮もこんな異世界に行ってみたいと思わない?」
「もー星宮って言わないで、恵って呼んでよ。」
「ごめん、ついね。」
僕に話しかけてきたのは、 同じクラスの女子の星宮 恵(ほしみや めぐむ)だった。
恵と僕は、こういう異世界の本が好きで異世界についてを語ることが多かったので、聞いてみた。
「うーん、そうだね、本当にこんな世界があるのなら、行ってみたいね。」
と、本の内容を見た彼女が、そんなことをを言った時、
[ ふふふ、今から、君たちの望みを叶えて上げよう。]
という声がした。
「「えっ」」
その途端、僕と彼女の足元に白い魔法陣が現れて、目の前が真っ白になった。
『異世界』
「……う、うぅぅん」
(めっちゃ眩しかったんだけど)
そんなことを思いながら僕は周りを見渡し、そして目を見張った。なぜなら辺り1面森だったからだ。
「えー!森?なんで!?」
周りが明るいから、まだ日は出ているから良かった!そんなことを思いつつ周りを見渡したが、恵がいない。
「星宮ー?いないのか?」
返答がなかった。どうやら、近くにはいないらしい。もしくは、この世界には居ないかもしれない。そう考えたが、魔法陣が2人を囲んだのを思い出してこの世界に居ない訳が無く、もしもの事があったらと考えると……不安になったので、
「はぁ、全くどこに行ったんだか。」
僕は、彼女を探すことにした。この時、僕は、すぐに見つかるだろうと考えたが、その考えがいけなかった。その考えのせいで、後にあのようなことが起こるとは、この時の僕は、そんなこと微塵も思っていなかったのだった。
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