233.後宮地下射撃場


 そして、射撃場に戻って来た俺は早速弾倉に弾を込めていく。

 手で弾を入れる時最初はあまり抵抗なく入っていくのだが、詰めていけばいくほど中に入っているばねが圧縮されていき抵抗がまし最後の方になるとかなりの力をようする。

 こうやって一発一発弾を入れていくのはなかなか大変だが、こうやって弾を入れているだけでも俺にとっては楽しい。


 全ての弾倉に用意した弾を入れ終わり、イヤマフ(防音用)とアイプロテクターと手袋をつけ、撃てる準備が整った俺は、人型のペーパーターゲットをレーンの上にあるレールにくっつけ、台の上にあるコントローラーで任意の距離に動かし固定する。

 そして、万が一射撃中や銃の操作中にこの部屋に誰かが入ろうとしたときの安全対策として設置した警報機のスイッチを押し作動させておく。

 その的にセミオートとフルオートで撃ち、銃ごとに出る自分の癖を見極め、一個ずつ直していった。


 次にM45A1を撃つ。

 これは元の世界のサバゲでよく使っていた銃なので、とてもなじみ深い。

 さらにこの銃があったことによってサバゲ中に救われた場面が多くあったので、“相棒”という言葉が似あうほどだった。

 この銃を持った時、つい元居たときにこの銃をメンテナンスしていた時のことを思い出し、通常分解をごく自然にやっていた。

 細かくは違っていたが、形は似ていたのですんなりとできた。


 分解した後はすぐに元の状態に戻して、マガジンを入れコッキングをして射撃体勢に移る。


 バンッ!


 撃ってみると、普段から撃っている9×19㎜弾なシャープな撃ち味と違い、やはり45口径ともなるとリコイルショックが重く感じる。

 しかし、何発か撃っているうちにリコイルコントロールができるようになり、最後にはラピットファイアをしても的の中心にしっかりと当たっていた。


 用意していた弾を撃ち切り、ちょうど自分の癖を修正し終わった俺は、銃を戻しに武器庫に戻った。


 戻しに行ったときに、そこで俺はゲパートGM6 Lynx(リンクス)というブルパップ式のセミオートマチックアンチマテリアルライフルを発見していた。

 これは今後特殊作戦部隊に対して、超長距離射撃やこれを持った状態でも突発的な近距離戦闘にも短時間でも対応できるようにするために配備使用をかんがえていたものだった。

 この銃は東欧ハンガリーで設計製造されたゲパートM1の最新型で、M2重機関銃やバレットM82アンチマテリアルライフルなどで使用する12.7×99㎜弾を使用する。

 ブルパップ式ということもあって全長は他の対物ライフルと比べ小型(展開時1126㎜、短縮時928㎜)軽量(11,5㎏)な方であり(参考:バレットM82A1全長1447,8㎜重量12.9㎏)、撃たない状態のときは銃身を銃機関部に後進させ短い状態で携行できる。

 この銃は連射性能もよく立射姿勢のままでも2秒間で6連射できるほどであるようだ。


 ということでGM6 Lynxを持ってきた俺は、立射で連射できるか試すため再び射撃場に戻って来ていた。

 他の対物ライフルよりは小型とは言え、今まで撃って来たアサルトライフルなどと比べてしまうとやはり大きい。


 レンジに俺がついたころに、合同訓練から帰って来たレナがやって来た。

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