228.テロ対策合同訓練検閲

 

 アルダート駅に再び向かった俺とメリアは駅に着くと、正式営業開始に向けて全運転手が試験運転中、その合間を縫って用意されていたE233系6000番台に乗りこんだ。


(JR東日本横浜線向け車両、車体側面下部に描かれている特徴的なYOKOHAMALINEの文字は書かれていない)


 目的地は隣のゼックスフォード駅のすぐそばにあるゼックスフォード駐屯地だ。

 もちろんこの時の護衛はミセア大佐率いるミスティア隊が務めてくれている。


 駐屯地内に入るとすぐに案内係がやってきて、俺たちを合同訓練が行われる施設へと先導してくれた。

 施設の中に入ると、すでにそこには陸海空軍の将校や法執行機関の幹部、鉄道武装警備局の幹部等が集まっていた。

 その中には今回の訓練のオブザーバーとしてレナ大佐率いるメランオピス隊も参加していた。


 レナは俺たちが施設に入ってきたことに気づき、尻尾を振りながらこちらに駆け寄って来た。

「ワタさん!来てくれたんですね!」


 レナは走って俺に近づき、そのままの勢いで俺に抱きついてきた。

 抱きついてきたときにチェストリグについている装備品が当たり少々痛かったが、それを上回る柔らかいものと女の子のにおいがそれを帳消しにしていた。


「レナ!相変わらずかわいいな、よしよし」

「えへへ」


 俺を見て駆け寄ってきてくれたかわいいレナのことを俺は抱きしめ、そのまま頭をなでていた。

 レナと俺は列車で一夜を共にした後から急激に距離を縮め、前はよそよそしかった彼女であったが、今では非常に懐いてくれていた。


「レナ、一先ずそこまでよ、そろそろ戻りなさい」

「レナ大佐、そろそろ始まるぞ」

 数分程レナとイチャイチャしていると、さすがに長いと思われてしまい、メリアとちょうど今回の合同訓練を見に来ていたエレシアに少しイライラしながらそう言ってきた。


「はっ!すぐに戻ります」


 それを聞いたレナは敬礼し、すぐに部下たちが待つ場所へと戻っていった。



 今回この合同訓練に参加するのは以下の部隊。

 参加部隊(部署)


 鉄道警備局

  鉄道武装警備隊(TAP)

  アルダート駅駐屯師団第一大隊第A中隊

  鉄道捜査部

  捜査一課


 王立警視庁

  警備部

  首都機動師団第一大隊第二中隊


 

 国家警察庁

  鉄道警察局 (鉄道警備局との仲介役)


 国家消防庁

  中央消防総局

  中央即応救助隊

  アルダート消防局

  機動救急救援師団第一大隊

  特別消火大隊

  化学防護総隊

  中央化学防護隊


 オブザーバー参加

  王国陸軍特殊作戦軍“メランオピス”

   一個小隊


 王立警視庁

  刑事部

  機動捜査隊第一係

  特殊犯罪捜査課(SIT)第三係


 消防は通常地方自治体が設置をするのだが、今だ帝国と戦争中ということもあり他の省庁と一括でコントロールができるように政府機関の一部として設置してある(有事の際は統合参謀本部の直接指揮下に入る)。

 国家消防庁の規模は全体で、消防士44万7000、救急救命士6万、航空隊2万を有する組織となっている。

 この組織は元々各地でバラバラに活動していた消防団もどきが集まったもので、それに消防活動に必要な水槽付ポンプ車や大型水槽車、救急車、高度救急救護車を配備して活動ができるようにしている。


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