万華鏡

小さな暗闇のずっと奥

輝かしい景色が拡がって

僕はそれら一粒一粒を

宝石だと信じていた

小さな手には入らなかった

瞬く箱庭世界

僕の宝石たち


大きくなった僕の手は

いとも簡単に破壊して

宝石たちをこの手に

掴み取ったんだ!


宝石はバラバラと

大きい掌から零れ落ち

叫ぶんだバチバチと

汚い掃除機に吸い込まれ


十円以下の

着色されたプラスチック

埃になったプラスチック

宝石だったプラスチック





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