美術部の日常「政略結婚」
マネージャーが親の都合で、政略結婚させられることになった。
再び3人になった部室で、俺達は絵を描くでもなく、創作ゲームをするでもなく、ただ無気力に椅子に座ってボーッと天井を見上げていた。
「マネージャーの家って結構お金持ちだったんだね」
ふいに大城が口を開く。
「学校もやめされるんでしょ? ちょっと酷くない?」
「マネージャーいなくなったら、部員足んなくなるな」
深刻な顔で言う大城に対し、俺は沈んだ空気を明るく変えようと、冗談っぽく返す。
今更マネージャーの婚約を破棄することなんて出来ない。ましてや、無関係な俺達には何の力もないのだから。
するとヘッドホンで音楽を聴きつつ、話はちゃんと聞いていた音来が、ヘッドホンをしたまま呟いた。
「そしたら廃部だな」
「「…………」」
その瞬間、俺と大城に衝撃が走った。
後日、結婚式場を覆面の学生達が襲撃した。
彼らはすぐに警備員の手によって取り押さえられたが、その騒動が起こってすぐ、新婦の意向により結婚は白紙となった。
覆面の学生達は新婦を「マネージャー」と呼んでいたという。
2018/12/08
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