異世界転生し最強の美青年となった俺の成り上がり人生!

咲原 玲人

第1話 転生 幼女の女神との遭遇

 ある日、目を覚ますとそこは森の中だった……。




 「死んだはずじゃ……。」




 俺の名前は三豪さんごう 綾人あやと。


 普通の高校生だ。いや、普通ではなかったか。


 俺は特別だった。悪い意味で。


 休み時間はいつも一人ぼっち。


 昼休みはクラスのカースト最上位の男女6人の昼飯を買いに行かされる。しかも自腹で。


 放課後にはそいつらの憂さ晴らしに殴られ蹴られ、金を徴収された。




 だがそいつらを恨むことはなかった。


 俺は俺自身いじめられて当然の人間だと思っていた。 


 なぜなら俺にはなにもなかったからだ。


 テストの成績はいつもクラス最下位。


 背は低く、体は棒のように細い。


 おまけに前髪は長く眼鏡をかけていた。


 そんな人間がクラスにいて、もし俺が力のある人間だったら同じようにいじめていたかもしれない。


 だから俺は死ぬことにした。




 そいつらの俺に対する扱いに耐えきれなくなったある日の帰り道。


 俺は電車にひかれて死んだ。


 死んだはずだったんだ。




 なのに気がつくと森の中にいた。


 あの時確かに電車にひかれたはずだった。


 体を見てみるが傷一つない。


 それにしても一体ここはどこなんだ。


 そう思い立ち上がった時、妙な違和感を感じた。


 目線がいつもより高く感じる。


 そう思い腕や足を見ると思っていたよりずっと長く、筋肉質な体になっていた。




 「体が大きくなってる!? まさか、生まれ変わったのか……?」




 いやいや、そんなはずはない。


 幾ら何でも現実的ではない。そんな物語みたいなことがあるわけない。


 そう思っていると、




 「生まれ変わったんだよ〜!」




 背後から小さい女の子の声が聞こえてきた。




 「誰だ!?」




 後ろを振り返ると、そこには宙に浮いたピンクの髪のアニメからでてきたかのような可愛い幼女がいた。




 「うっ浮いてる!?」




 「うん! わたし女神だからね〜!」




 「女神......?」




 「そう! 女神! お兄さん自殺したでしょ? それでこの世界に生き返らせたの!」




 「......は? なんで?」




 「なんで?って記念だよ! お兄さんは前の世界での累計死者数555億人目だったの!」




 「なんだそれ...。」




 「まあとにかく転生したってこと! じゃあ後は一人で頑張ってね〜! あ、一つだけ教えてあげる。 ステータス画面を開くときは、その画面を頭でイメージしながらテキトーにコールすれば開けるよ! じゃ〜ね〜!」




 「ちょっとまっ......。」




 その女の子はそれだけ言い残して一瞬で消え去っていった。




 「転生ってマジかよ......。」




 でもすでに女の子が宙に浮いたり体が大きくなっていたり...と、異次元な出来事が起こっている。




 「で、ステータスだっけ?」




 さっきの女神とやらが言い残したことを思い返した。


 ステータス画面をイメージしながらコール?だったか。


 コールというのは言えってことか?


 とりあえず言われた通りにやってみよう。


 俺はゲームによく出てくるステータス画面をイメージしながら、コールした。




 「ステータスオープン!」




 その瞬間、目の前にステータス画面が出現した。




 アヤト Lv.1


  HP:10000 MP:10000


 物理攻撃力:10000 物理防御力:10000


 魔法攻撃力:10000 魔法防御力:10000






 「うわっ!? 本当に出てきた!」




 「しかもステータス値が異常すぎるだろ!!」




 どうやら本当に生まれ変わってしまったようだ。しかもおそらく魔法の存在するであろう異世界に。


 それにステータス値が異様に高すぎる。この世界の相場を知らないとはいえ流石にこの値は異常な気がする。




 思いもよらない一連の出来事に戸惑ったが、俺はすぐに状況を把握した。


 俺は電車にひかれ死んだあの瞬間、魔法の存在するであろう異世界に転生した。そして前の自分とは体も力も全く別の人間に生まれ変わったということを。


 だが決して悲観することはなかった。




 そして俺は決意した。


 恵まれた体にこの強さを手に入れ新しく生まれ変わった俺は、前の人生で得られなかった沢山のもの全てをこの世界で手に入れ、最高の人生を送ってやろうと……!

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