もしもし
理絵ちゃん、あなたは今、何をしていますか?
私を親友だと言ってくれた中学時代
あなたは私よりも先を歩きだして
話の合う子と仲良くなった。
私は置いて行かれたような気分だったよ。
でもそれを言葉にできず、笑顔でごまかした。
手紙の返事を書かなくなったのは、きっと私の方が先だね。
あの頃の私は、早くみんなに追いつくことに夢中で
中学時代のことなんて、さっさと忘れてしまいました。
いつだったかあなたに再会したとき、
あなたは私の知る頃に全く仲良くなかった子と
名前で呼びあう仲になっていて
その子といつもお酒を飲んでいると話ししていた。
会えることを楽しみにしていたのは
私だけだったのだと思いました。
それでも連絡先を交換して、
また昔のようにと淡い期待を抱いていたけれど
まめさに欠ける私が連絡をする頃には、
あなたのアドレスは変わっていました。
だけどね、理絵ちゃん。
不思議なんだよ。
私はいつも、幸せな時にあなたの事を思い出す。
連絡のつかなくなった友達とも
SNSでまた繋がれるこの時代に、
あなたはちっともつかまらなくて。
だけど私には、あなたのくれた最後の電話番号にかけてみる勇気もない。
理絵ちゃん、元気ですか?
私は今、幸せです。
あなたも幸せだったなら、私は自分のことのように嬉しいです。
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