春先の時計
回線の 信号拒んで 受け取らず 東と西の 往復書簡
一級河川 土手から見下ろす 花いかだ 千々に乱れて マーブル模様
花冷えの 雨に震えた 指先の テンキーだけが 知ってる温度
さよならが 唐突に来る 春先は 時計の針の 進みが早い
ひととせを 振り返った 道程に 手を振る私は 人間になる
春休み 忘れて乗った 下り線 ブレザースカート 制服の影なし
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