第7話 高校生の初休日はある意味伝説
伝説。
それを作ることは勿論憧れ。
でも、作ることは容易くない。
しかし、作る場所や機会はこの世に沢山ある。
その伝説というお題に一人の少年は挑んでいた。
そう。
本業のはずのゲームで!!
「って!チガァァァウ!!アンタ何してんの!土日よ!進めるチャンスなのよ!それを!」
この五月蝿い蝉のような女。名を塔堂苺という。顔も身体も蝉のような女。
「私を蝉と言ったわね!誰が蝉よ!
どちらかと言うと兎よ!」
「ミーンミーンミー。五月蝿いハエだ。それより勇者タケオの伝説やりましょうや。熱い展開が待ってるぞ。」
「ハエも違う!小説はどこいった!」
「ミンミンゼミお前もか。」
「現実見なさい!!」
パチンっ…パチン…
「ずぶぁふっ!」
頰をぶたれた…
……これより、この葉羽零矢が勝手ながらも謝罪会見を開かせてもらいます。異論は無しでよろしくお願いします。
誠に申し訳ございませんが、前回の伝説作る宣言撤回させてください。
もう無理です。私は現実を見ることが出来ます。初の原稿あげ
だから発想力が低くてネタ切れしたという現実があるので諦めます。ごめんなさい。
これから人生に終止符を打つ予定です。短い間ありがとうございます。
これにて《完》
「ザッケンナ!何勝手に終わらせてんのよ!まだ始まったばっかりよ!」
やだーこの人こわーい。胸ぐらを
ガッチリ掴んでくる。……。
でもやられぱっなしは納得いかん!
「だってよ!見ろよ!この努力の山!こんだけ原稿を書いて山下さんに送ったのに。返事は全部駄作の一言だぞ?!!」
「ぶふっ!雑魚認定作家乙〜ww」
「てっめ…じゃあお前はどうなんだ!なー!最近まで記憶喪失だったくせに。イラストあがってんのか!」
ピラっ…
無言でイラストを見せてきた。
それを見た俺は驚愕した。
「お前…描けてないじゃん!」
「…」
「なんか言えよ!」
「あっ。アンタってバカ〜なの〜。」
明らかに動揺してた。
あくまでも俺の考えだが、この女は俺と一緒に原稿などの案を考える為に家に来てたいのだが、誘い方を上手く言い表わせずにいて、ついつい恥じらいを隠す為に嫌な態度を取っている。正直なところ今も昔も変わってないな…こいつ。
そんなことを考えていると、部屋の
ドアがいきなり開いた。
「むりぃーちゃーん。苺ちゃんが五月蝿い。」
「おい!妹!お兄ちゃんと呼びなさい!それ傷心ものだよ!」
「ぷっ。むりぃーちゃーんだって。」
よし。後でこの女の黒歴史暴露してやる。
何を隠そうとこの世界妹遺産登録済み(零矢視点)の女の子。
名前を葉羽舞と言う。
まさに、天使!
これぞ、我がシィスターである。
修道女じゃないぞい。
「嗚呼…何て尊い。是非フィギュア化希望…。」
「?お兄ちゃん何言ってるの?」
「舞ちゃん。不審者に近づいてはダメよ。むりぃ菌が付着するわ。」
「バッチィ!」
「おい苺!いくら女子が嫌いとは言えど、舞は例外だぞ!」
俺の言葉は華麗に無視され、むりぃ菌が付いたから手を洗って来ると満面の笑みで妹は部屋の外に去っていった。
「更に萎えた。もう小説家やめる。
早く辞めた小説家として伝説作る。」
「そういうのはいいから!そんなこと言っていると終わらないわよ!」
「ハイハイ。やりますよ。」
渋っていても仕方ない。仕事なのだから、責任を持たないと。
「まず。このシーン。イラスト必須だな。」
「このシーンよりもこっちのシーンの方がイラストいるわよ。」
「原案は俺だ。俺の意見優先。」
「それだと話し合いの意味ないわよ!」
「いーや。譲らんぞ。この権利だけは。」
「何それアンタの権利って!」
そう言いながら押し倒された。
「どわぁぁぁ!」「きゃぁぁぁ!」
いって…。ん?なんか手に当たって?
ムニッ。「ひゃん。」
モムモム。「きゃぁん!」
なんかとても触り心地が良い。
もうお分りだろうが、
俺の手は…苺の胸に当たっていた。
彼女は涙目で顔を赤くして暴走した。
「くっぁぁぁぁぁ!アンタ何やってんのよ!♪$%4%¥…!」
「なんだと!お前が押し倒すから¥%^46546〒=^!!!」
そして今日も不毛な喧嘩が始まった。でも、それで時間が過ぎつつも
一つの章の完成の目の前まできた。
「疲れた。…。」
「本当よ。休日じゃないわ。こんなの。そういえば締め切りはいつなの?」
「夏休みまで。
初めての作品だから 、宣伝してから早めに出版して忘れられる前に売るんだって。」
「ふーん。まぁ頑張ることね。」
「そうだな。あっ。お前今日泊まってけよ。夜遅いし。」
「えっえ。はっはぁぁあ?バッ馬鹿!エッチ!口説き文句のつもりなの!
わっ私あなたのこと好きでも何でもなくないけど…いやでもその…ゴニョゴニョ…」
「いや。口説いてるつもりないし。
まぁ泊まらないならいいけど。」
「泊まるわ!」
面倒な奴…こんなテンプレのデレ系幼馴染は良いのか?今日俺は、このテンプレな展開は二次元でしか許されない気がした。
「で。これは何なの?」
「呼ばれたから来てみたけどお邪魔だったかな?」
その数十分後には、柳原ヒョウが来ていた。
「いや別に。今日は家に舞しかいないし、原稿あげのヘルプでヒョウを呼んだ。ちなみに舞は寝た。だから静かに話し合いをするぞ。」
(というのは建前で。単純に家族外の女と家に一緒にいるのはキツイ。特に俺みたいな女嫌いの人間は。)
「当たり前ね。じゃあそろそろ続きやりますか。」
「おうよ。せめて今日の目標まではやろう。」
「俺も雑務や相談に乗る位なら手伝えると思うから必要になったら、いつでも声かけてくれよ。」
(男一人来るだけでこんな心強いとは…俺は今とても感動してる!)
「好きなだけうちにいると良い。
ヒョウ。(イケボ)」
「はぁぁ?アンタ達結婚でもするの?BLもほどほどにね。」
「いや別に明日には俺帰るよ…」
・
・
・
夜が明けた。朝日が照らす空はまるで希望に満ちた様な光を放っていた。
昨夜は割と平和に仕事が出来たおかげで、昨日のノルマだけでなく今日のノルマもクリアできた。
そして今朝、ヒョウの帰った後にイベントが起きた!
「ねっねぇ?零…あのさ。えとえとえーと。わ私と一緒にショッピングにでもどっどうかな?とか言ってみたりして。」
「あー。取材のデートか。いいぞ。」
「なっ!何で取材なの!本物よ!!」
「またまた。俺はもう騙されないからな。」
「だから違うの!もうっ。ししししししかもででででででデートなんて誰が言ったののののよよよよ!」
「お前は壊れたラジオか。」
そんなこんなで、女子嫌いの俺の初の女子とのショッピングイベントが起きた。
しかし、フラグを立てると面白い事にお決まりの展開になる。
ショッピング開始から一店舗目からクラスの女子に出会った。
カップルと誤解をされかけた事により、苺は慌ててふためき容赦なく俺に罵倒を浴びせてきたが、せめてもの優しさなのか最後に「また今度!」と言い捨ててクラスメイトと消え去った。
ホント。自分勝手な奴。フラグも苺も。
しかし、この事がきっかけで今書いてるラノベのタイトルが思い浮かんだ。
《誤解と勘違いの生む恋》。
俺もこんな恋愛が出来れば女嫌いを克服することが出来る気がするよ。
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