沼
知らないでいることは罪なの
聞こえている声に聞こえないふり
振り向いても立ち止まらない
口にできないのはきっと痛みのせい
生まれた時からあるんだ
暗闇に真っ白な蛾が原色の毒を振りまいて
華やかな醜さに窒息してゆく
こんな夜を一人で過ごして
泣かないでいるには爪をぬるしかないの
全てがぼんやりと見える聴こえる
輪郭なんて崩れて皆んな混じればいい
求めたりしないから口にしないで
あなたも微笑んだりしないで
辛いのは 弱いのは きっと私の中の沼
水底に落ちたの育たないタネのせいね
光なんていつまでも届きはしない
ねぇ、そこにいる都会の誰か
あなたの何処かにもそれはあるんでしょう
重いよね重いよね痛そうだよね
でも代わってあげられないの
自分の沼さえ抜け出せないもの
聞こえているけど応えはしないよ
育たないタネだけが積み重なってゆく
わたしはいつか押し潰されるよ
いつか…
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