163_企業戦士

最低賃金で最高成果を求められる

僕が動くエネルギー源は

やりがいという名のカロリーゼロ食品

小休止を取る雨露しのぐ場所には

季節を超えた毛布と隣人の発狂声援

あと一時すれば鳴り響くだろう枷を手に

夢の中でぐっすり眠る夢を見る


守るものができた戦友には

守るものが増えた規律が褒美として

今よりも前線に駆り出される

やりがいというエネルギー源が切れたら

人質という言葉で起き上がる

守るものができると人は変わるだと

今日もまた守るものを作らされる



瀕死になれば僕らのせいとして

仲間にとどめを刺される

戦果をあげても気を抜けなくて

仲間にとどめを刺していく


のらりくらりを覚えた僕は

突撃しますと宣言をして逃げる

安全な場所で負傷者を探しては

助けを求める声を踏みつぶして

ちょっと助けて善人面で戻って

自ら動かなくなった企業戦士

若い今しかできない汚い生き方



最低賃金で最高成果を求められる

僕が動くエネルギー源は

やりがいという名のカロリーゼロ食品

小休止を取る雨露しのぐ場所には

隣人の発狂声援と自身の発狂声援

あと一時すれば鳴り響くだろう枷を手に

夢の中でぐっすり眠る夢を見る

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