けものフレンズ 小ネタ集

継月

自分の存在する理由


※時系列的にはアニメ本編でいうところの

6話と7話の間くらいです

あとガッツリメタい発言出ます

メタ発言苦手な方はBBを

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「はぁ…」


地べたに座り俯きながらため息をついている一人の子供がいた


名を『キュルル』


みなさんご存知のけものフレンズ2の主人公でありけものフレンズⅡ Re (pixivにて公開予定)のサブ主人公である


彼女は自分のおうちへと帰るべくサーバル、カラカル、継月の三人と共にジャパリパークを旅しており、今はその途中

太陽が真上よりやや西に傾いてるのを見るに

ちょうどお昼時なのだろう

サーバルとカラカル、継月はじゃぱりまんを探しに向かう際にキュルルも誘ったがキュルルは

少し休みたいと申し出たので三人でじゃぱりまんを探している

つまり今ここにいるのはキュルル一人である


「僕って…なんでいるんだろ…」


キュルルは自分の存在意義に疑問を感じていた

というのも時折脳裏を過る声はどれも自分を否定するような物ばかりだからだ

最初こそつい先日会ったかばんと言う少女と

比べられていたがその声は日に日にキュルル

自身を、キュルルの言動や行動をそのものを

非難するものへと変わっていった


「僕って…いらないのかな…」


ポツリ…周りに誰もいない空間でキュルルはそう呟いた


…筈だった


「誰が要らないって?」


「ぅわっ!!…ってなんだ継月か…」


キュルルが振り返るとそこには継月がいたが


「あれ?でもいつもと服が違う…いつの間に着替えたの?」


そう、キュルル達と旅している継月の服装

(常盤ソウゴの服装を参照)と違い、キュルルの後ろに突如現れた継月は灰色のシャツに青のジーパン、茶色のトレンチコートを羽織っていた


「あぁそっか…こっちにも俺がいるんだっけ」


継月はそういいながらキュルルの横に移動して座る


「こっちの世界?どういうこと?」


「俺はこことは別世界のジャパリパークから

来たんだ。だからこの世界の俺は俺であって俺じゃない」


「…?どういうこと?」


「えっと…簡単に説明するとだな…」


一見この世界はひとつだけに見えるが実は大なり小なり違いを持ちながら幾つもの世界が存在していること

こことは別の世界にもジャパリパークが存在している世界があることをキュルルに伝える


「かばんが旅に出たことと、俺が本来住んでいた世界にフレンズが来たところまでは同じなんだ。けど、ジャパリパーク側で可能性の分岐が起こった。こっちではかばんは旅が終わってキョウシュウに戻り、今はパーク復興に向けて動いている。

でもこっちではサーバルがかばんや俺との記憶を無くし、キュルルやカラカル、こっちの俺と共に旅をしてるんだ」


「つまり…そっちの継月の世界にも、僕はいるかもしれないってこと?」


「キュルルって名前ではないだろうけどな。あれってこっちのサーバルが付けたみたいだし」


「そうだよ!僕にはちゃんとした名前があるのに…まぁ、今では気に入ってるけど…」


「ところで…キュルルの本当の名前ってなんだ?」


「僕の本当の名前はね…」


キュルルは継月に耳打ちした


「って名前なんだ」


「へぇ…いい名前じゃん」


「そう言えば継月はどうして、その…平行世界?って所から来たの?」


「そうだな…。君、さっき自分なんか要らないって言ってなかった?」


「ぅっ…。うん…」


キュルルは継月の言葉に俯いた


「時折…声が聞こえるんだ…」


「声?」


「そう…。『お前なんか要らない』とか

『かばんちゃんを返せ』とか…。

僕はただサーバルと、カラカルと、こっちの継月と、僕のおうちを見つける為の旅をしてて、

その先々で起こるフレンズの困り事を僕なりに解決してるだけなのに…」


「なるほどな…」


「ねぇ継月…。僕って誰にも受け入れられてないのかな…。僕って…要らない存在なのかな…」


数秒の沈黙が走る


「…そうかもな…」


「そっか…」


「でも、ひとつだけ言えることがある」


キュ「…?」


「誰しも望まれてその世界に生まれた訳じゃない。最初はなっから受け入れられるやつなんて居ないんだよ。俺達だってそうさ。

俺も、この世界でキュルルと旅してる俺も、

最初は創造主の理想の姿として生まれた。創造主が、もしも自分がアニメの世界に入り込んだらどう動くかの物語、それが始まりだった。

そんで、どーせなら現実の自分に出来ないことをあれこれやらせちゃおう!ってことで出来たのが俺らしい。そんでかばんとサーバルと旅して…ライダーになってフレンズを守るために戦って、自分の世界に来てしまったフレンズと生活したり…。今ではあるフレンズと恋仲にまでなってる」


「恋…仲…?」


「キュルルにはまだ早いかな」


「…?」


「いづれわかるよ。とにかくだ、そんなこんなで、今では別の世界にも行き来したり、別世界のヒトやフレンズと会ったり出来るようになった。要は俺を受け入れてくれた人がいるってこと」


「そうなんだ…」


「だから、例え少なくても、キュルルを受け入れている、これから受け入れてくれる人は絶対にいる筈だ」


「ほんと?」


「あぁ。っていうか、寧ろ10人いて10人全員に受け入れられる奴なんてそういないんだよ。でもたった一人や二人でも自分を受け入れてくれる奴がいる、それだけでいいじゃんか。

全員に受け入れられるようにがんばるより、

今自分を受け入れてくれている一人や二人のために前向きに頑張った方がいいじゃんか、な?」


「…うんっ!」


キュルルはスクッと立ち上がり


「ありがとう継月!僕頑張ってみr…あれ?」


振り返ると既に継月の姿はそこには無かった


「いない…。どこ行ったんだろ…」


「おーいキュルルー!」


「キュルルちゃーん!」


キュルルの元にサーバル、カラカル、継月がじゃぱりまんを持って戻って来た


「あっ!サーバル、カラカル!継月!

ねぇ、継月見なかった?茶色い服着てた継月」


「はぁ?あんたなに言ってるのよ?継月なら

サーバルと私の三人でじゃぱりまん取りに行ってたじゃない」


「それに継ちゃんの服は茶色じゃなくてピンクだよ?」


「夢でも見てたんじゃない?」


「ほんとだよぉ!平行世界から来たとか何とかって!」


「…そっか、そういうことか」


「継月?」


「また今度話すよ、それよりご飯にしよ」


「そーだねー。私お腹ペコペコだよ~」



一方


紅蒼科学の世界のジャパリパーク

みずべちほー ライブステージ 楽屋


「ただいま~」


「あっ、継月さんおかえりなさい」


「どうだった?上手くいった?」


「多分…な」


「多分って…」


「でも手応えはあったんでしょ?」


「まぁな」


「フルルよくわかったな?」


「手応え無かったら継ちゃんもっと残念そうな言い方するもん」


「なるほど…」


「まっ、これからどうなるか、キュルル達に期待だな。それより飯にしようぜ」


「そういうと思ってじゃぱりまん確保しておいたよ~」


「準備いいな」


「継ちゃんのベストコンビだもん♪」


「それじゃ」


けもフレⅡ Reの世界のジャパリパーク


「せーの」



「「「「「「「「「「「

      いただきますっ!

         」」」」」」」」」」」


                  fin

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