第5話 多田一族

本日2話投稿です。2話目ですv(。・ω・。)






11月も半ばに入った週末。今日はドラゴンの遊覧飛行の開催日だ。今日から蘭が捕獲してペットにした、冥虎の『メイ』をお披露目することになった。死黒虎が進化したこの冥虎は、黒い体毛に銀の虎模様で体長は5メートルある。背に鷲のような大きな黒い翼を生やしており、その背に2人乗りのシートを付けてグリフォンと同じく遊覧飛行の魔獣として頑張ってもらうつもりだ。

今は蘭がメイの安全性をアピールしているところだ。


「メイちゃんお手!」


「ガウッ」


「メイちゃん伏せ!」


「ガウッ」


「「「おおおお〜」」」


「うわぁ〜すごーい」


「乗りた〜い」


「ぼくもぼくも〜」


どうやら安全性のアピールは成功したようだ。冥虎は見た目が怖いからな。いきなり泣き出す子もいたくらいだ。メイには蘭がかなりキツイ契約を課したみたいで、許可無く人に即死の魔法を放とうとすると激痛で放てなくなるらしい。念話でメイと話したら相当蘭に恐怖を与えられたようで、反抗心など欠片も無かった。きっと俺の真似をしたんだろう。

契約の様子を顔面蒼白で魂が抜けたような顔をして一緒に戻って来たリム達に聞いたら、四肢を切断しては上級ポーションでくっ付けてを繰り返したらしい。リム達は冥虎の即死魔法が飛んできて精神を削られ、蘭の拷問を見て血の気が失せたそうだ。俺と凛と夏海はリム達三人を抱きしめて頭を撫でてあげた。三人とも震えて泣いてたよ。


「蘭、大丈夫そうだな」


「はい。メイちゃんはいい子なので問題ありません」


「そうか、グリフォン程では無いが結構速く飛ぶからな。子供達を乗せる時は気を付けろよ? あとインキュバスにも慣れさせておけよ? リム達は駄目だからな?」


「はい。この家にいる者の言う事は聞くように言ってあります。リム達は何故か近付かないので頼めないです」


「す、好き嫌いとかあるからな。相性が悪いんじゃないか? 過去に怖い思いをした経験があるのかもしれないしな。無理強いはよくないからそっとしといてやれよ?」


「む〜……メイちゃん可愛いのに残念です」


俺は蘭を育てた者として、ささやかなお詫びのつもりでリム達を蘭から守ることにした。


「俺と二人で空の散歩に行こうな? その方がいいだろ?」


「はい! 蘭はメイちゃんに乗って主様とデートをしたいです」


「俺もデートがしたいな。今夜一緒に乗ろうな。さあ今は子供達を乗せてやれ、ホラ待ってるぞ?」


「はい! 夜を楽しみにしてます。主様行ってきます」


「気を付けてな〜」


俺は蘭を見送り家に戻り5階のリビングでゆっくりする事にした。


「あっ、ダーリン木更津市長から電話があって例の件の許可が下りたわよ?」


「マジかよ……本当にやるのかよ」


「使われてない土地で負の遺産だから、これを機に有効活用したいらしいのよね。テレビ局も呼ぶみたい。関係者以外の立ち入りだけは絶対にしないよう念を押しておいたわ」


「テレビ局も呼ぶのか!? 商魂逞しいと言うかなんと言うか……」


「うちも稼げるから諦めて行ってらっしゃい。どうせ避けては通れない道なんだから」


「はあ〜そうだよな……まさかここまでとは予想してなかったからさ。明後日行ってくるよ。ただ、テレビ局はこっちで指定した所にしてくれるように言っておいてくれ」


「お姉ちゃんの為でしょ。そんな顔してたらお姉ちゃんが落ち込むわ。テレビ局の事は伝えておくから、お姉ちゃんの前では楽しみにしてるくらいの顔しなさいよ?」


「そうだな、一番ショックを受けているのは夏海だもんな。なんとか楽しみに思うようにするよ」


そう、明後日夏海の家族と会う事が決まった。それは良かったんだけど、予想を超える程の脳筋一族だった。

夏海の実家の道場は千葉県の木更津市にあるんだけど、ここ横浜とは東京湾を挟んで対岸にあり近いんだ。

すると毎週末東京湾を遊覧飛行をしているドラゴンがよく見えるみたいで、是非戦いたいらしい。乗りたいじゃなくて戦いたいだそうだ。俺は危険だから断りたかったんだけど、それを見越してか夏海を嫁に欲しいと言っている男が屈服させたドラゴンがどれ程のものか試すのだと言い出した。

これは断ったら俺が門下生全員と戦うテンプレの流れになりそうだと思い、そんなのは面倒くさいからドラゴンを連れて行く事にした。そうなると場所はどこでやるかと言う問題がある。そこも夏海の祖父と父は手を回していた。昔東京湾を埋め立てた土地が放置されているらしく、そこを使えるよう市長に話をしてあるそうだ。夏海のお父さんとお祖父さん仲悪いんじゃ無かったのかよ……

そして今日、晴れて市の承認を得たらしい。


「そうしなさい。明日の夜は慰めてあげるから。執務室でね、えっちなダーリン♪ 」


「あはは。それは楽しみだな。スーツ姿の凛が堪らなく色っぽくてさ。無理言ってごめんな」


「いいのよ、私も興奮するし……やだ、何を言わせるのよダーリンのえっち!」


俺がテレビで見世物になるのに憂鬱な気分でいたら、凛がオフィスプレイをまたさせてくれると言ってくれて元気になった。最初はお互い燃えまくったのでまたしたいなと思っていたら、凛も同じ気持ちだったようだ。俺は自分の言った言葉に顔を真っ赤にして走り去って行く凛のお尻を見送りながら、やる気になるのだった。




そして夏海の実家に行く当日。この二日間色々と準備をし、昨日の夜は凛と夏海に執務室で癒してもらった。夏海のスーツ姿もとても良かったよ。今の俺はやる気に満ちている。


「光希、本当にごめんなさい。もう私恥ずかしい……」


「大丈夫だよ。こういうノリの人達には慣れてるんだ。200人組手しろとか言われるよりは楽だよ。ステータスが上がって手加減がまだ上手くできないんだ」


「そう言って頂けると助かります。祖父と父はこういう時だけ仲が良くて……なんであんなに元気なのか」


「元気なのはいい事じゃないか、お祖父さんはまだ70前半だろ? お父さんも50になったばかりらしいし。まだまだ現役なんだろう。結界は恐らく嫌がるだろうから、クオンに良く言って聞かせておくさ」


「しばらく動けないようにしておいてください。もう本当に……もう……なんでうちの家族は……」


「強くなれば力を試したくなるものさ、それがドラゴンなら戦いたいと思うのは男なら仕方ないよ。そうそう戦える相手じゃないしな」


「竜系の上級ダンジョンに入っても下層に行けない実力で、どうしてドラゴンと戦おうと思うのか理解に苦しみます」


「それでもBランクだし、門下生もCランク以上なんだろ? 200人でやればもしかしたらと思ってるんじゃないか?」


「そんな甘い相手では無いのですけどね。ドラゴンを知らないからこういう事をしようと思うんでしょう。クオンにキッチリお仕置きしてもらわないと」


「ははは。怪我は仕方ないけど死なない様には気を使うよ」


「本当にみんな大丈夫かしら……」


申し訳なさそうに謝る夏海を宥めて俺達はドラゴンポートに行き、クオンに乗り込んだ。

そして東京湾を渡りすぐ目的地の埋立地上空に到着した。

そこには埋立地を囲む柵の外側に、多くの人が上空を見上げ手を振っていた。ようこそ木更津へと、大きな横断幕を上げている人達もいた。俺はその光景にそりゃ来るよなとゲッソリしながら、埋立地中央に300人程人が集まっている場所の近くにクオンを着陸させた。

大歓声の中、俺と夏海がクオンから降りるとそこには革鎧に刀を差した200人程の男達と、何故か魔獣の革製の剣道の防具のような物を付け薙刀なぎなたを持っている若い女性が100人程いた。


「夏海……」


「ああ……お祖母様まで……ごめんなさい光希、お祖母様は影心流薙刀術えいしんりゅう の道場を持ってるの。私もう恥ずかしくて死にたい……」


「そ、そうか……ちょっと予想外だったがまあいいさ。ははは……」


「夏海! 久し振りじゃな! 待っておったぞこの時を! おおっ! 貴殿が佐藤殿ですな。ワシは夏海の祖父の多田 十兵衛と申す。二度も夏海の命を救い、治らぬと思っていた傷を貴重なエリクサーを使い元に戻してくれた事。感謝しますぞ。儂はその話を聞いて一刻も早く会いたかったのだが、合宿やこのうちの馬鹿息子が海外を放浪しておっての。礼が遅れた事をお詫び申す」


「夏海の祖母の千歳ちとせです。私からもお礼を。夏海の身の心も救って頂きありがとうございます。うちの馬鹿息子が捕まらずこれ程までお礼が遅れた事をお詫び致します」


「タハハハ。俺がその馬鹿息子で夏海の父親の多田 六郎だ。佐藤君の噂はあっちこっちで聞いている。海外にいて夏海の危機すら知らなかったのは申し訳無い。夏海を救ってくれてありがとう。冒険者だから覚悟はしていたが、やっぱり俺の娘だからな。命があって良かった。夏海。良い男と出会えたな」


「お父さん……はい。最高の男性と出会えました。私は今とても幸せです」


「いえ、俺は自分ができる事をしただけですので。夏海と出会えたのは俺にとっても幸運でした」


「そうか、自分にできる事をしただけか。それで知り合って間もない夏海を単身助けに行き、上級ダンジョンをも攻略したか。そうかそうか。カカカカッ!強者よのう! 流石ドラゴンを従えるだけの事はあるのう」


「佐藤君はカッコイイな。俺もそれくらい強ければな。他に恋人もいると言うのは父親として思う所もあるが、夏海が幸せなら仕方ないな……」


「あなたは放浪してばかりで親らしい事してないでしょ! 夏海が幸せならそれでいいのよ。それにしてもふふふ……夏海が女の顔をしているなんてお母さん嬉しいわ。佐藤さん初めまして。夏海の母の秋子です。私もお会いしてお礼を言いたかったのですが、道場の合宿に主人が捕まらない事など重なり遅くなり申し訳ございませんでした」


「俺も桜島や女神の島で慌ただしくしておりましたから。夏海と結婚を見据えたお付き合いをさせて頂くのに、ご挨拶が遅くなり申し訳ございませんでした」


俺と夏海がクオンから降り、夏海の家族達の姿を見てこれから起こる未来を想像し脱力していた。すると夏海の祖父らしき白髪で仙人みたいな髭を生やした男性が、大きな声で感謝とお礼を述べてくれた。続いてその隣にいる白髪の背筋のピンと伸びた、夏海の祖母も同じようにお礼を言ってくれた。

そして夏海の祖父と祖母に馬鹿息子呼ばわりされた男性が二人の後ろから現れた。夏海の父の六郎さんは黒く長い髪を後ろで結い、顔立ちの整った優しそうな人で申し訳無さそうに海外にいた事を詫びてくれた。

だが、やっぱり父親としては複数の女性と付き合っている俺には思うところがあるようだ。それでも夏海が幸せならとぐっと堪えてくれた。それを聞いた六郎さんの隣にいた、夏海そっくりで少しキツ目の顔をしてはいるが綺麗な女性が俺のフォローをしてくれた。夏海は母親似なんだな、綺麗な黒髪で見惚れそうだ。


ここまでは家族に対しての普通の挨拶なんだけど、遠くに固まっているテレビ局の人達以外ここにいる全員が革鎧を身に付けて武器を手に持っている。夏海の祖母も母もだ。

そして挨拶が終わると全員がクオンをギラギラした目で見ている。夏海は遠くを見ている。

後ろに控える門下生と思われる男女300人は誰も臆した様子が無い。普段どんな訓練してるんだよ。

確か飛竜は狩っていると言ってたな、防具も全員飛竜の革鎧だしどんだけ狩ったんだよ。


「佐藤さん初めましてKSTテレビの畑中です。今回は貴重なイベントにお呼び頂いてありがとうございます」


「初めまして佐藤です。KSTさんは俺の動画をしっかり約束を守って放映してくれましたからね。それに賄賂とかも無かったので信用してます。今後も正しい報道をして頂ければまた声を掛けさせてもらいます」


「はい! 今後も是非ご贔屓にお願いします」


「その時は声を掛けますね。それで今日は指定した場所から絶対に前に出ないようにお願いします。死にますから」


「は、はい! 絶対に出ません。カメラマンにもそう言い聞かせておきます」


「ありがとうございます。それではここから200メートル下がっていてください」


「はい! 失礼します」


俺はテレビ局の畑中プロデューサーの名刺を貰い、注意事項を伝えて下がってもらった。

そして既に刀に手を掛けている夏海の家族に向き合った。


「それでは皆さんのご要望通りうちのドラゴンのクオンと親善試合を行いたいと思います」


「「「うおおおおおお!」」」


「「「やってやるわ!」」」


「親善試合ですからね? 死合では無く試合ですから死ぬまでやらないでくださいね。危ないと思ったら俺が問答無用で下がらせますから」


「「「おうっ!」」」


「……夏海も見ていてくれ」


「……はい」


「大丈夫だ。こういう人達は嫌いじゃない。俺の夏海を愛する気持ちは微塵も揺らがないよ」


「は、はい! 光希愛してます」


俺は夏海の家族を始め門下生達が燃え上がる中、一人氷の微笑を浮かべている夏海を慰めた。


「クオン! わかってるな? 頼むぞ!」


「クォォォォン」


「よしっ! 始め!」


「「「うおおおおおりゃああああ!」」」


「竜じゃ! ドラゴンじゃ! 多田流抜刀術 『夢幻』」


「あらあら十兵衛ったら……影心流薙刀術『散華』」


「おいおい魔法障壁硬てぇな! 飛竜のようにはいかねぇか! ならこれならどうよ! 真多田流抜刀術『破山』」


「あなた? 全然駄目じゃないの。探索者時代を思い出すわね。刀より硬いこの剣で叩き割ってあげる……喰らえっ! 『天山』」


グオォォォオ


「「「ギャーーー」」」


「ブレスだ! 散れ!」


「なんの! 多田流抜刀術『炎斬』」


「親父凄えな! ブレス斬るとかバケモンかよ!」


「カカカカカッ! まだまだ若いモンには負けんて! それにブレスも加減されておる。本物は斬れんじゃろな」


「十兵衛流石です。私も加勢しましょう」


「お義母様私も加勢します」


「ドラゴンよ! 多田一族の力を味わうがいい!カカカカカッ!」


楽しそうだな……俺と夏海は戦場を奔走し黒焦げになった門下生に中級ポーションを飲ませて下がらせ、クオンの爪で引き裂かれた門下生を下がらせ忙しくしていた。

あっ!クオン! 食べるな噛むな!


「クオン喰うな! ぺっしなさいぺっ!」


クォォォォン


「夏海! 吐き出された人を頼む! 俺は今焼かれた人を治療する!」


「はい! もうっ! 馬鹿ばっかりなんだから! 矢沢! 退きなさい! 明美! 口の中に入ろうとしないで! アニメの見過ぎよ!」


門下生達の顔は笑っていた。駄目だここの道場の人達頭のネジが飛んでる。九州の戦士達とは違う。ドMだ。こんなの放映して大丈夫か? この人達社会復帰できるのか?


「カーーーッカカカカカッ! 祭りじゃ祭りじゃ! 命を懸けた祭りじゃ! 皆の者日頃の修行の成果を見せい!」


「フフフフフ! 影心流薙刀術が実戦向きだと日本中に見せておあげなさい!」


「「「おうよ!」」」


「「「はい!」」」


「だああああ! 硬てぇ! 魔力込めても障壁破るのが精一杯だ! 佐藤さんこんなのなます斬りにしたのかよ!」


「これは厳しいわね……魔法の援護が無いと駄目ね」


俺にはここにいる全員が竜人族に見えてきた。古代にマンモスに石斧で挑んだ人達はこんな感じだったのかな。高層ビル程もあるクオンはもっと巨大か。魔法無しでよくここまで戦えるよな。





それから二時間後……


「ぐっ……ここまでか……無念じゃ……」


「十兵衛……来世は魔法を使える……ように……なって」


「グエッ……ゴボッ……秋子……寂しい思いをさせて……すまねぇ……愛して……る」


「ゴホゴホッ……あなた……いいの……あなたが楽しそうにしている……姿が好き……なの」


「秋子……」


「あなた……」


「ハイハイこれポーションね。さあ飲んで飲んで下がって下がって」


「お祖父ちゃんにお母さん早く飲んで。お父さん早く下がって!」


「クオンもういいぞ! お疲れ! 後でオークキングの肉やるからな。トロールもおまけだ!」


クォォォォン クォォォォン!


「お、おう……治ってる」


「あれ? なんともねぇな」


「あらやだ私ったら、つい熱くなって死ぬのかと思ってたわ」


「はい! 皆さん親善試合お疲れ様でした。テレビ局の皆さんもお疲れ様でした。さあ、撤収しましょう。撤収撤収!」


俺は試合だという事を忘れ最後まで戦い、全身血だらけで今生の別れを言い始めた夏海の家族に次々とポーションを飲ませてクオンから離した。そしてテレビ局の人に試合が終わった事を告げ、とっとと撤収する事にした。テレビ局の人達が青ざめた顔をしているのは、クオンにでは無く夏海の家族にだろう。俺だってドン引きだよ! 二時間以上ドラゴンに攻撃し続けるとか頭おかしいだろ。普通は退き際を見つけて撤退するって!

なんなんだこの人達は? 家族を守るための戦いならわかるけど、試合でここまで命賭けるか?

クオンの手加減と、俺と夏海がいなかったら殆どの人は死んでたぞ?


「光希……私恥ずかしい……」


「夏海。大丈夫だ、今後なるべくこの人達には関わらないようにするから。二人で生きていこうな」


「ああああ……光希にまで引かれている……もう私恥ずかしくて死にそう……」


「夏海すまん。こんな時どんな顔をしたらいいのかわからないんだ」


「わ、笑わなくていいです! もう光希との家に帰りたい……」


「大丈夫だ。後一回、結婚式の時に呼ぶだけだから。な?」


「呼ばなくていいです! ひっそりと蘭ちゃん達としたいです!」


「そうもいかないだろう。心の準備をしておくよ」


「私は一体どうすれば……」


俺は夏海をフォローする言葉が見つからなかった。夏海の祖父だけとか、父だけが戦闘狂なら笑って流したさ。でも全員とかおかしいよ、何かに感染してるとしか思えない。俺はその見えない何かが怖いんだ。


そうしている間に片付けが終わり、俺はクオンに報酬のオークキングとトロールを持たせて家に帰らせた。

少し鱗から出血していたからポーションも飲ませたけど、クオンは全く気にしていない様子だった。

そして復活した夏海の家族と、暗い笑みを浮かべて家族を見つめる夏海を連れて迎えのバスに乗り夏海の生家へと向かった。埋立地の入り口には既に看板があり、そこにはドラゴン死闘の地と書いてあった。観光地にする気かよ市長……


俺はバスで夏海を抱きしめて慰めながら、夏海の家では落ち着いて話がしたいなと思っていた。




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