子どもの頃 密かにバーという場所に憧れていた

子どもの頃 密かにバーという場所に憧れていた。

そこには私がまだ知らない飲みものがある。

知らないスナックもありそうだ。

知らない色の電灯があるともいう。


女性は 冬でも袖なしの服を着て それでいて裾は長い。

見慣れぬ化粧をしている。

バーの看板の向こうの世界に行ってみたかった。


大人になってバーへ行く機会があった。

私は体質的にお酒がのめない。

たいしておいしいものもない。


退屈した。


今、眠れぬ夜の私は バーという場所に憧れている。

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