第21話 故郷のお堂
「久々の里帰りだね」
「……あのさ、俺ちょっと寄りたい所あるんだ」
「どこ?」
「金屋の向かいのお堂」
「えーアソコ階段キツイわ」
「アレ昔からあるけど石欠けてて名前はっきりわからんよね。何とか地蔵尊。あのお堂の扉の格子の奥暗いけど、一箇所だけなんか薄汚れた紐でてるんだよね」
「気になるんだ。開けるの?バチ当たるよ」
「着いた。。ほら、やっぱりまだ有る。出てるわ」
「コレ? 煤けて黄ばんでる。。もう夕方だからさ、止めようよ。うす暗くてきみ悪い」
「……いや、開ける。開けて確かめる。三年生の頃から気になってたんだ。大人に訊いても子供は知らんでいいって言われて。明日のお袋の法要終わればもうコッチ来る気ないし……行くぜ、一、二、三っ」
バサッ
ドドドドドドドドーーーッ
「わーーー」
「ぎゃー」
「何……コレ…… ブラジャー」
「こらー、お前ら何しとんじゃー」
「あ、金屋のオヤジ。。まだ生きてたんだ」
「あ、吉松と酎子。お前ら、乳あて地蔵さんに何しとんじゃ。バチあたりめが」
「……ち、乳…… 」
「あてじぞう…… 」
カァー カァー
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