第149話第百八段 寸陰惜しむ人なし(1)
(原文)
寸陰惜しむ人なし。
これよく知れるか、愚かなるか。
愚かにして怠る人のために言はば、一銭軽しといへども、是をかさぬれば、貧しき人を富める人となす。
されば、商人の一銭を惜しむ心、切なり。
(舞夢訳)
わずかな時間を惜しむ人はいない。
それはよく悟っているためなのか、それとも惜しむことを知らない愚かさのためなのか。
その愚かにして怠る人に対して、あえて言うとならば、一銭のお金などたいしたものではないと言うけれど、その一銭を積み重ねれば、貧しい人であっても富める人にするのである。
それだから、商人は、一銭のお金であっても、惜しむ心が切実なのである。
※寸陰:ほんのわずかな時間。
怠け者には、耳をふさぎたくなるような教えである。
時間を無駄に浪費し、何の成果もない。
また、それに反省もない。
でも、それだから、人間らしいとも思うのだけど。
無駄な時間のようで、実は後から見れば役に立っている場合も少なくはない。
要は、気の持ち方なのかもしれない。
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