バカでいたかった
あなたが誰と何処で何をしていても気づかない振りをした
何も知らないバカな振りをした
そうすることでわたしを保っていた
『好きな人ができた』と
あなたは残酷な言葉を言い
「おめでとう」と
わたしは物分かりの良い振りをした
バカみたいに泣いて
縋りついていれば
あなたは今も隣に居たでしょうか
あなたが知らない名前でわたしを呼んだときも
あなたが知らない匂いを纏って帰ってきたときも
お酒に強いあなたが、酷く酔っ払って帰ってきたときも
ぜんぶ気づかない、知らない振りをした
これはすべて
あなたの傍に、少しでも長くいたかったから
あなたのいない日々を思い出せないから
わたしがわたしでいるために
バカであろうとした証
バカなわたしでいたかった
わたしはあなたの幸せにいらないのだと気づいてしまったから
あなたの幸せを願ってしまったから
あなたがわたしの手を離したのではなく
最初にわたしがあなたの手を離してた
バカなわたしであったなら
その手を離さず済んだでしょうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます