ブラックブラック・ブラック
ブラックブラック・ブラック。
まっくろくろすけの真っ黒。
握りしめた手の中には黒い黒い闇がある。
真っ黒が特徴のブラックブラック・ブラック。
「真っ白な光に焼かれると僕らは真っ黒に焦げる」
ひとかたまりのブラックが呟く。
「なんで?」
また別の、質問好きなブラックが聞く。
「それはね」と・ブラックが声を張り上げる。
「僕らが黒だから! 動物は化けの皮だよ! 皮の下には僕らが埋まっているんだ!!」
ブラックが続ける。
「僕らが黒だから! でも動物は気づかない!!」
「なにに気づかないの?」質問好きのブラックに・ブラックが飛び跳ねる。
「自らの中にはどうしようもないブラックがあることを!」
「光に照らされ皮が燃える! ブラックブラック・ブラックがあなたの外へと漏れ出てしまう!」
「おー! 闇よ! 我らが生まれることを許したまえ!」
「「「おー!! 闇よ!!」」」
リーダー格のブラックがより深い色に染まる。周りがそれに続く。
「ブラックブラック・ブラック。我らがあることを許したまえ!! 光から避けるため!! 動物の中に隠れることを許したまえ!! 闇が生まれることを許したまえ!!」
ブラックブラック・ブラック
光は導き 闇は誘い
ブラックブラック・ブラック
光は真実を 影は抱擁を
ブラックブラック・ブラック
全ての化けの皮を剥がさないで
ブラックブラック・ブラック
そのままあることを許してください
誰かが語る。
「写真に写るブラックホールの黒は実はもっとくらいらしい。映らないから黒なんだって」
「ふうん」
「つまり、闇は仮初めだ。黒は仮初めに過ぎない」
それだけだよ、ブラックブラック・ブラック。
握りしめた手を開くと、ブラックブラック・ブラックは光に照らされて消えた。
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