ー燃ー

集と叶は置かれている状況を完璧に理解できていないのがよく分かる雰囲気だ。BBQに向けて楽しそうに三人は真っ暗な中スーパーへ向かう。三人のうちダンプはBBQが何か知らないがノリに乗っておちゃらけた。


「おーし食いたい物全部持ってけってか取り敢えず肉はもうこれが最後だと思って食える分だけ持っていくぞー。」


電気もつかないので肉は今日中に食べなければ腐るだけなのだ。


「ダンプ、ねぎま好き?」


「ねぎまって何だよ。」


「ねぎまも知らないの?鶏肉とねぎを交互に刺した焼鳥だけど?」


「知らねーが食ってみるか。」


「俺ねぎまとつくね大好きだわー」


焼き肉コーナーで話し合っている二人の中に割って入った集。両手に品少ないアウトドアグッズを持っていた。

三人は食料を十分揃えると近場の公園へ行く。小さい頃よく遊んだ公園だ。実際は古墳があり、滑らかな山になっている。下部では大きな池と広い運動場のような地面の広場に隣接している巨大な公園だ。

彼はアウトドアが好きなので火起こしは簡単だった。


「そんな面倒なことしなくても俺が火出せばいいだけだろ。」


「雰囲気が大事なんだよ雰囲気が。いつもと違う手間のかかる感じがよ。」


「案外手慣れてるじゃない。尊敬するわーあータイムライン上げたい。」


ダンプにはあまり理解し難い無いようだったが取り敢えず合わせておけば知らなくても良いのだろう。

男女は肉や野菜を焼き、三枚の皿に別けた。

ダンプは頬に両手をついて退屈そうに座って待っていた。


「ほらよ。」


香ばしい香りのする多くの食べ物が乗った皿を手渡される。ダンプは唾を飲んだ。ダンプは箸の使い方を何度も手こずりながら教わり、ようやく食べる。それを見ていた叶は少し心配する。


(あれ冷めてない…?)


「美味いな。俺の街でこんなに香ばしいのは食べた事がねえや。」


三人はBBQを十分楽しんだ後本題に入る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る