その2 めちゃくちゃ苦手な戦闘描写を書いてみた
「……誰か……助けて……。」
「──!」
セルリアンの咆哮が響く。
ターゲットとなったフレンズは、正直弱すぎる。
なすすべなんてなかった。
「──!──!」
「食べ……食べないで……」
絶体絶命。
誰もがそう思うだろう。
だが、女神は微笑んだ。
2人の影がセルリアンに攻撃を仕掛けたのだ。
「──?」
「まさか追跡中にセルリアンに出くわすなんて……。」
「私達は運が悪いね~。ま、そんな私達に倒されるセルリアンも運が悪いんだけどさ!」
セルリアンが不思議そうにその2人を見つめる。
「……このセルリアンは調査の邪魔をするのですね」
「さすがにセルリアン程度の相手には驚かないよ!倒しちゃおう!」
真っ先に1人……オオセンザンコウが跳んだ。
木の側面を蹴り、その勢いでセルリアン目掛けて手首のうろこを振り下ろす。
(……石が見つからないですね。まずは様子見でしょうか。)
少しセルリアンを削れたが、石は見つからない。
オオセンザンコウは地上に着地した。
着地したオオセンザンコウは、「次はアナタの番ですよ」と言うように、相棒……オオアルマジロにアイコンタクトをおくった。
オオアルマジロはそれを見ると、強く頷き跳んだ。
そして、相棒の動きを真似た。木の側面を蹴る。
彼女は肘を突きだし、その肘のうろこでセルリアンに乗っかった。
(さて、石はどこかな~っと。)
探してみるが、やはり見当たらない。
それに、うろこのおかげでセルリアンの上に乗っかれるとはいえ、限界はある。
とりあえずオオアルマジロは、石を探すのを諦め、地上に着地した。
「……石、ありましたか?」
「なかったよ~。どこにあるんだろ~……。」
「……じゃあ、"アレ"をやりますか」
「"アレ"ね!おっけー!」
そんな会話を交わした後、オオセンザンコウはセルリアンの後方に、オオアルマジロはセルリアンの前方に立った。
「セルリアン!こっちだよ~!こっち~!」
オオアルマジロは普段からよく喋るので、声が大きい。
そんなオオアルマジロが適当な所にセルリアンを誘導する。
(石は……一体、どこなんでしょうか……。)
後方にいるオオセンザンコウは、顎に手を当て、石を探している。
(……むむ?今一瞬石らしい物がどこかに……)
視界の端で、石らしき物が見つかった。
セルリアンをじっくり見つめた。
(……あっ!)
オオアルマジロを補食しようと動く触手。
その触手の付け根の方に、石が見え隠れしていた。
(角度的に見えない時もあったのですね……。でも、石の場所が分かったなら、こっちのもの!)
オオセンザンコウはうろこを構え、走った。
そしてそのまま石に……
「……はぁっ!」
儚く散っていくセルリアン。
満面の笑みを浮かべるオオアルマジロ。
呆然と立ち尽くすフレンズ。
「センちゃん、もうちょっと早く見つけても良かったんじゃないかな~?クタクタだよ~。」
「クタクタには見えないのですが……。」
その会話の横で、口をパクパクさせるフレンズ。
やがて、勇気を振り絞り、言った。
「……ありがとうございました!」
「……いえ、いいんですよ。」
「私達にとっても邪魔だったからね~!排除しちゃって良かったわけ!」
そうして笑い合って、2人と1人は別れた。
だが、ダブルスフィアはまだオーダーを解決していない。
2人の追跡は続いた。
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