卒業旅行

 やり残したことを指折り数えて

 辿り着いた丘には花が咲いていた

 

 気がついたらこんな場所まで来ていた

 いくつもの旅路を忘れてしまうほど

 磨り減った靴から土を落として

 古びた歌を口ずさんでみたり


 まだまだ道は果てしなく長い

 君なら多分そう言うだろう


 リュックには大したものは何もない

 他愛もないことを書き込んだメモ帳と

 百円のシャープペンと替え芯と

 三日分の着替えとカメラとかそんな感じ


 辿り着いた丘から線路が見える

 なんだかお腹が空いてきたな


 言うほど人生は気楽じゃない

 そんなこと言われなくてもわかってる

 いやひょっとしたらわかってないのかも

 でもそんなこと考えるだけ野暮ってもの


 そんな風に気取って旅をしていた

 辿り着いた丘には花が咲いていた

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