第四百二十二話 淀子死す!


淀子『ふざけたわね殺すわよ?』

作者『ごめんなさい』

 

※※※

 

「さあ……反撃開始だ」

「え……えっと……」

「さっさとやるんだよ! あのクソアマを殺しちまいな!」

「は、はい!!」

 

 スタ子は銃口を姉さんに向ける。

 

「悔しいけど避けるしかないわね」

「構うな。落ち着いて対象を駆逐しろ」

 

 姉さんは縦横無尽に駆け回り、スタ子の放つ豆の弾丸を躱していく。

 

「キリがないわね」

 

 姉さんでさえも、反応して避けるのがやっとという速度。

 既に壁にいくつもの穴が開いている。

 

「ククク……ハハハハハ……」

「くっ……」

 

「吾らの出番はまだか?」

「俺切り込んで良い?」

「かつやおにいちゃん、しんじゃうよ?」

「だ、だよな……」

 

※※※

 

「はぁ……はぁ……」

「どうした化け物。私はまだ生きているぞ。もう降参した方が良いんじゃねえか?」

「ソ、ソウデス淀子サン! アナタヲ殺ス気デスヨ!」

「ふっ、スタ子の奴……まともに演技する気も起きなくなっておるな」

「ダメだ……淀子ちゃんが死ぬ……」

「貴様は心配する所がおかしい」

 

 何だかんだで皆姉さんが倒される事には賛成なんだな。克哉兄さん以外。

 

「さあスタ子……もうそろそろ死ぬ。死力を尽くし、あの化け物を殲滅するんだ!」

「わ、私が死んじゃいそうです!」

 

 知るか。

 

「リミッター解除!」

 

 なんだ……やれば出来るじゃねえか。

 

「はあああああああああッ!!」

 

 姉さんは体内の気を解き放つ。

 

「小癪な……」

 

※※※

 

「ギ……ガガガ……」

「何をやっているスタ子。敵はまだ死にかけとは言え生きてるぞ! トドメをさすんだ!」

「機能……停止……」

 

 プツン。

 

「……」

 

 あ……。

 これもしかしてヤバい?

 

「くっくっくっ……この章で散々イキってたみたいだけど、私に勝てる希望が絶望に堕とされるってどんな気分?」

「いや、違う。こんなつもりじゃ」

「人の不幸ってやっぱり美味しいわね……」

 

 絶対にこれはヤバい。

 

「おいスタ子! 起きろ!」

 

 ダメだ起きねえ!

 

「スタ子はもう起きないらしいわね……」

 

 待て! 話せば分かる!

 

「話す必要なんてないわ。大分体力を使ったけど、ゴミを片付けるくらいの力は残ってるわ……」

「やだやめろ! 死にたくねえ! 死にたくねえ!」

 

 死にたくねえええええええええええええッ!!

 

「遅い!」

 

 ぎゃああああああああああああああああああああッ!!

 

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