第二百九十五話 オンリーイベントに行こう その一


 はい、というわけでこれ系のタイトルではお馴染み準備の時間から始まります。

 

「これとこれとこれと……」

「これね」

「しつこい」

 

 何回エログッズ紛れ込ませる気だよ。

 

「ふっ、そうか。分かった、明日を楽しみにしておる」

 

 江代は誰かと通話しているみたいだ。

 確かコスプレして同人誌も売るとかなんとか。私もそれに付き合う事になっている。

 

「てか最近の作者がやった事じゃねえか」

 

 作者も最近サークル作って、同人誌売ったらしいし。

 

「何かこれ含めて二つか三つ書いてた時期が最近あったらしいわね」

 

 これからそういう日が続くぜ。By作者

 

「作者。お前はもう少しこれが売れるように努力して欲しい」

 

 あ、それと俺最近また忙しい。By作者

 

「何でだよ」

 

 いやあ、ファ〇アーエンブレム〇醒やり始めたから。By作者

 

「この忙しい時期にRPG買うな!」

「ふっ、吾と語り合おう」

「いや余計に時間を奪うな!」

 

 しかも今回のコスプレ……F〇覚醒の主人公ユニットじゃん。

 

「戦略を練れば、恐るるに足りぬ」

 

 スマ〇ラの勝利ポーズ……。

 

※※※

 

 次の日の朝。

 江代がおねしょしていない事を確認し、そのまま起こす。

 

「江代、そろそろ起きないと新幹線乗り遅れるぞ」

「ふっ……光は苦手だ」

 

 季節的に朝暗すぎて光なんて見当たらないんですが。

 

「ふっ……行こう」

 

※※※

 

 そのまま自転車で駅へ向かい、ホームにて。

 

「てか気がかりな事が一つある」

「なんだ貧乳の銃士」

「今日お袋と姉さんがお留守番なわけだけど、喧嘩しないよなあいつら」

「ママがあたしの家破壊するとでも!?」

 

 急に素になったな。いや可能性としては『(なくは)ないです』。

 

「ふっ、二重ネタはうっとおしいな」

「両方気付ける人は僅かだと思うけどな」

 

『まもなく……』

 

 そんなこんなで新幹線が到着し、私と江代はそれに乗り込んだ。

 

※※※

 

 新幹線に乗る事数時間。到着は超会議の時と同じく、東京駅。

 

「ふっ、あーきはーば

「それは違うぞ!」

 

 まあ言いたくなるのは分かるが。

 

「何とか着いたな」

「それより江代」

「ふっ、なんだ?」

「トイレに行く時に私を席から突き落としてから行くの……やめてくれない?」

 

 あれは地味に痛い。

 

「ふっ……貴様が呑気に寝ておるのが悪い」

「……」

 

 これにどう反論すれば良いんだ。

 流石にこれは起きなかった私に責任が問われるぞ。

 

「知るか」

「……」

 

 もう良いよ私の負けで。

 

「ふっ、勝ったぞ」

「いや嬉しそうにすな」

 

 身体がいてえ……。

 

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