第百八十一話 アイドル大会編 その七


「吾なら、友人に作らせるくらい容易いぞ」

「……そうだわ!」

 

 確かに私のマスクを作ったのは江代の友達だし……音楽制作をしてくれる奴もいるかも知れねえな。

 

「いや……待ちなさい」

「え?」

「江代の友達……」

 

 どうしたんだ?

 

「四章見返しなさい。そうすれば分かるわ」

 

 ……いや……よく分かんねえんだけど。

 

「呪いのCDとか来たらどうするつもりよ」

「ふっ……もうそやつには頼まない。ちゃんとしたのを送ってくれる筈だ」

「ホント?」

「ああ。あやつなら二日あれば出来る」

 

 二日かあ……。

 

「てか大会自体ちょっとシビアだよな。三週間で全ての準備をしろとか」

 

 ラブ〇イブでも三か月前とかには情報出てるっつーのに。

 

「この小説をあれみたいなのと一緒にされてもね~。相手様に失礼よ」

 

 私も大好きだから……まあ言えないな。

 

「何なんですの……?」

「さあ、私には分かんないよ」

 

 美咲と和泉は漫画とか読まなそうだからな……まあ分かんねえか。

 

「さて、数ページくらい無駄な時間を過ごしたけど帰るか」

「おう」

 

※※※

 

 そのまま浅井家へ舞い戻る。 

 

「さて、じゃあ曲を作ってもらえるのが分かった所で……これからどうするか考えるわよ」

「これからどうするかねえ……」

 

 正直どうするかとか意見出来ねえんだけどなあ。

 

「取り敢えず特訓ですわ」

「だからそれをどうするかの会議だからな?」

 

 正直どんな特訓すれば良いんだ……?

 遠泳十キロの後ランニング十キロは嫌だぞ?

 

「それこそラブ〇イブになるじゃないの」

 

 著作権的にだけじゃなくて体力的にもしんどいから断る。

 

「私ならそれを十分でこなせるわよ」

 

 お前の体力ならな。

 

「ふっ、闇の騎士なら余裕だ」

「お前が一番心配だ」

「大丈夫だよ初ちゃん。疲れても抱きしめてあげるから」

 

 和泉……お前は少し黙っててくれ。

 

「何かいい方法無いかしらねえ……」

 

「困ってるようね」

 

 ――!?

 

「あれ……今の誰?」

「外からじゃないわね」

 

「――私よ」

 

 その場で光が瞬く。

 慌てて眼を腕で塞ぎつつ顔を伏せる。

 

「……なんだなんだ?」

 

 再び目を開ける。

 すると私達の真ん中に、新たなキャラが出現してるのが見えた。

 赤い髪を三つ編みにした、赤い瞳の美少女。

 何故かそいつの頭には、天使の輪が浮かんでいた。

 

「作者に頼まれてやってきたわ」

 

 これはまた、何かが起きそうだ。

 

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