第百七十三話 説教


「……」

「……あの、初さん」

「なんだ?」

「俺達は生徒会室にいるんですか?」

 

 いや何で分かってないんだよ。

 

「前回やってた不適切行為についてツッコミたい」

 

 あーそれね。By作者

 

「あとお前はいい加減私視点に混ざってくるのやめろ!」

 

 えー良いじゃん。By淀子

 そうですわ。By美咲

 良い系じゃない? By優香

 

「お前らまでやるな!」

 

 私が喋るスペース無くなる!

 

「何でアンタが喋るスペース作らなきゃいけないの?」

「私主人公だからだよ」

「言うてアンタ最近仕事サボってるじゃない。前回とか丸々私達に投げたのに何言ってんの?」

 

 うぐっ……。

 

「それでもやって良い事と悪い事くらい

「いやアンタが既に悪い事をしてるのよ」

 

 うるせえ。

 

※※※

 

「まずな……視点投げてたけどあれは何だ?」

「最近気付いたのよ。視点って投げられるのよね」

 

 投げられるのよねじゃねえ!

 

「あれは読者が混乱するだけだからマジでやめろ」

「いやだからそもそも、アンタが私らに投げたのが発端でしょうよ」

 

 ……そんな台詞で論破出来ると思ってるのか貴様ァっ!

 

「じゃあ逆に言うけど、お前らそんなんだから私が主人公なんじゃないのか?」

「あ、ごめん。マジ腹立ったわ。作者」

「何?」

「取り敢えず初消してよ」

「はいよ~」

 

 ゑ?

 

「ポチっとな」

 

 初さんがログアウトしました。

 

※※※

 

 ん……なんだここ?

 

『貴女の存在はロックされています。

貴女に浅井三姉妹ルールに違反する行動を検出しました。ロックを解除するには下のボタンをクリックして自分の存在をアピールしてください』

 

「……は?」

 

 いやどういうTw〇tterだよ。

 電話番号でも打てばいいのか?

 

『ハイ、そうです』

 

 ……捻り無さすぎる。

 

※※※

 

 初さんがログインしました。

 

「死の淵から遥々戻ってきたぜ」

「死ねば良いのに」

 

 殴りてえ……。

 

「取り敢えずこれだけは言わせてくれ」

 

 そう、私が言いたかった事。

 

「私が主人公の作品でイチャイチャとかするな! 優香ァァァァァァッ!!」

 

「あれはマズかったみたいね、優香」

「いや~。ご想像にお任せするつもりだったけど」

 

 うるせえどうせ想像通りだよ!

 

「……はあ。終わりで良いか……」

 

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