第百四十二話 ゲーム作りのバイト その三
「てかさっき何で死んだん?」
「いやあ……気張りながらプログラム考えてたら血圧上がって一気に脳梗塞起こしたかも」
おめえは上杉謙信か。
「てかそれにしても死に過ぎだろ」
FPSをマジでやってると休みなら二徹三徹はあり得る。
こんなんで死んでたらキリがない。
「アンタニート?」
「バイトしてる時以外だとこれとサバゲが唯一の楽しみなんだ」
「アンタサバゲを一緒に遊ぶ相手なんているの?」
「……木に向かって一人で撃ってるよ」
おかげで命中精度が上がって、夏祭りの射的とか普通におもちゃ売り場だしな。
「ええ!? じゃあ家にあるゲーム機は?」
「勿論私が射的で手に入れた奴」
「良いな~」
仮に売る事になっても、百円で手に入れたものだから価値が低くても気にならない。
そこが利点だったりする。
「お前、ゲーム好きなのか?」
「当たり前よ。これはゲームのプログラムよ」
「ところで、これは何のゲームのプログラム?」
「モンスターファンタジー。略してモンファンよ」
も……モンファンだと!?
「これカ〇コンのゲームの筈だろ?」
「そうね。でも私は、その一部を作る仕事とか、自分でゲームを作ったりする仕事をしてるのよ」
こいつ……まさか。
「お前毎年いくら稼いでる?」
「自分で作ったゲームもかなり売れてるから、一ヶ月百万ちょい……。つまり一千万くらいかな」
ああ……なるほど。
「あまり驚いてないわね」
「いやあ、家に高給取りが一人いてね」
「高給取り?」
「おう。妹がいるんだけど……見ただろ? 美少年みたいな女の子」
「ええ」
「あいつトップクラスの動画クリエイターで、年収ヤバいから」
「ええ!?」
あ、でもこれ教えて良かったのか……?
「その子に案件頼んでいい?」
「そういうだろうと今思った。まともな動画になるかどうかは保障しないから覚悟しておけ」
「そ……そうなの?」
「まあ会えば分かるさ……」
それが嫌で今日はこんな場所にいるわけだし。
「あ……そろそろ日付変わるな……」
「そうね」
眠いな……。
「寝て良い?」
「ダメに決まってるでしょ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます