第八十八話 淀子、バイトを始める その一
「カツアゲで得たお金……四千、五千……バカな!」
……。
「淀子! カツアゲで得たお金は、今月中でいくらになった!?」
「くっ……五千以下よ!!」
「五千以下!? バカな! それは不良たちの財布の故障よ!」
壊れてんのはお前の頭だ。
「あ、初。おかえり」
「姉さん……今のさあ、すげえ見てて恥ずかしかったんだけど」
「なんでよ」
「お前のカツアゲはもうキャラ的に仕方ないけど、今の一人芝居はなんだ?」
「アンタのドラ〇ンボールの単行本見てたらやりたくなったのよ」
「そっか。気持ちわ――うぐおあっ!!」
「アンタの棚に入っているエロ小説とかエログッズの方が気持ち悪いわよ」
こいつまた人の棚を覗きやがって……ッ!
「しかもゴミ箱のティッシュからは放送しちゃいけない臭いがするし」
「人の性事情を公にするんじゃないよ」
てか毎回の事だけど何で私がエロネタ担当なのよ……。
普通の女子高生キャラの筈だろ?
「大丈夫よ。もう三章目だし、アンタが普通の女子高生じゃないのは周知だと思うわ」
「大丈夫じゃねえだろ! ほぼお前らの責任だろうがッ!」
「あれれ~? もうあの時の不祥事をお忘れですか~? 『レズゴッド』さん?」
「もうその渾名をやめてくれ……」
※※※
「だからあげねえっての」
「は?」
結局集りに来た。
「てかよ、前から思ってたんだが……お前全然正式な方法で金稼いでねえよな。全部カツアゲだよな」
「私が全うに働ける人間に見える?」
「見えねえ」
「なら仕方ないわよね」
否定しろ。てか努力しろ。
「あ、あるわ」
「一応聞いてやる」
「殴り屋」
「SM嬢かよ」
てかいくらあの学校でも風俗嬢のバイトって――
「禁止じゃないわよ」
「よしなろう。それで処女卒業を……」
「落ち着きなさい」
しまった……私には先輩が……。
「まあアンタとあの先輩が釣り合うとは思えないけどね」
「顔じゃなくて中身で勝負……」
「中身も最悪よね」
「うぐっ……」
こいつにだけは言われたくないが確かにそうかも知れねえ……。
「あ、じゃあもうアンタのバイト先に
「作者を呼び出してでもお前を殺すぞ」
「作者でも私は殺せないと思うわよ」
『いや、まあ台詞消しちゃえば消えるんですがね』
「作者、あとで屋上に来なさい」
『消すz
「来なさい」
『……はい』
「そんなわけでバイト先探すの手伝ってもらうわよ」
「は?」
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