第35話 戦闘龍グレン②

グレンが帝国軍城門守備兵との戦闘状態に入った。



皆一様にグレンを討とうと、死に物狂いで向かって来る敵を、グレンは左腕に構えた斧で一方的に切り続ける。



戦闘開始の僅かな時間で、グレンの周囲は血の海になった。



グレンが切った敵は、うめき声すら出さない。



全員が即死している。



赤い隊旗をさらに紅く染め上げる、その苛烈かつ無慈悲な戦い振りから、いつしか

彼は‘戦闘龍’と呼ばれるようになる。




「囲え!囲い殺せェ!」




「口だけ動かさんでさっさと殺れや!」



「ぼばっ!」



「邪魔じゃボケェ!」



「あぐっ!」



「くたばれやァ!!」



「げごっ!」



指示を出している兵を、集中的に狙い打ちするグレン隊の隊員達。



グレンに付いて先陣を切った者は200人程度だが、十倍近い敵を前にしても全く引けを取らない。



恐ろしい程の練度である。



「はっはっァ!隊長!いい感じっスねェ!」



「カイザー!油断しねぇで切りまくれ!ヴォルゲンが来たら一気に締めに掛かるぞ!」



「ウス!」





さて、グレンの反対側に切り込むアイラはどうなっているのだろうか?


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