ファンタジー革命8 頂上決戦

犬塚も犬神もあっけなく捕捉されたが、

東犬はその間に扉へぶちかました。


金剛力による衝撃力はバトルロイヤルで想定されたあらゆる衝撃を越え、

扉を吹き飛ばす。


研究室内に居たラファエルと目が合った。

知っている顔だ。



犬塚が気を失うと同時に、対峙する巨人堕天使がなぜか硬直していた。


そもそも数百年無敗で生き抜いた犬士が勝算無しに突撃する事など無い。


初手ですでに村雨の霧が堕天使指先の傷口から体内に侵入している。

犬塚が気を失うと村雨が独自に危険と判断し、

敵を拘束する神経毒を生成した。


その間に犬塚の再生が始まる。

東犬のぶちかます音で気が付いた。


巨人堕天使はその様子を硬直したまま眺めるしかなかった。

かなり気分が悪い。

強力な毒と痛み、身動きが取れない恐怖。

手の中で息を吹き返す天狗。


村雨は聖剣ではなく正しく妖刀だった。



拘束された犬神と巨人堕天使の力比べが拮抗する。


犬神は扱いに自信が無かったが、練習中の金剛力の木槌を持って来ている。

犬神はねじり切れないし折れない、予想外に堅い。


巨大な生物の怪力がどれほどなのか、

おそらくその巨大さにも、力にも限界があるのだろう。


巨人堕天使の目線が東犬にそれた瞬間を狙い、閃光人形を放つ。


視覚を失った巨人堕天使が犬神を思いっきり体重をかけて壁に叩き付ける。

この場合一番脆いのは壁だった。


叩き付けられ凹んだ壁に埋まるがダメージは小さい。

ねじったり引っ張られたり、力比べを継続された方が危ない。


その間に目を自動追尾する閃光人形は翼に遮られ、びりびりに千切られた。


ほんの少し時間を稼いだだけ、だがそれでいい。



巨人堕天使の隙を縫って陽子堕天使が研究室に入った。


東犬「ラファエルだ」


陽子がタルナーダを連れて往復転送した。


ラファエルが注射器を自分に刺そうとしている。

陽子が堕天使から天使に変化し、命令する。


陽子「お待ちなさい」


言葉はわからないが動きが止まる。

タルナーダが噛みついて作戦は成功した。



乙姫『ここか!』


狛ちゃんに開けてもらった扉の先は船の頂上、外だった。

意味は無いが達成感は有る。

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