アベンジ編2 勝算
スバルWRXで地下大阪城を出発する事にした犬神、犬塚。
なぎなたは後部座席からはみ出ている。
斜めに置いてパワーウインドウで挟んである。
コウモリがWRXの犬神を確認した。
甲冑を着ているので簡単にばれる。
なぎなたも目印となった。
■
USJのタルナーダは犬神達の行き先を推測する。
車は梅田には向かわず中央区を横切って行く。
港区方面?
助手席には侍の仲間。
焦っていると、自分の肌が突然緑色となった事に驚く。
ニューヨークでの成功を悟った。
河童の強固な皮膚での勝算を図る。
物々しい甲冑、未知数の侍、なぜ隠れ家がばれたのか。
皮膚強化成功しても来ないメール返信。
今からむやみに配下を増やせば、人々から強い反感を買う。
会敵すればコウモリ逃走は超音波で封じられる。
タルナーダは長年狼男から逃げおおせて、はるばる日本へ来た。
勘が告げている。
無数のコウモリに分かれて逃げた。
■
犬神のスマホに犬坂から電話が来た。
スピーカホンに切り替える。
「犬神さん、吸血鬼が移動を開始しました。
おそらく海を越えて四国に向かっています。」
「どうすれば?」
「逃げたのであればUSJには大した物は無いのでしょう。
四国へ追跡して下さい。
しつこく追跡し、お互い監視出来ている事をわからせるのです。
相手の出方を見たい。」
「了解」
電話を切ると乙姫がナビで淡路島を設定し、
ラジオをつけた。
一同は四国と聞いて伏姫のお遍路お出かけを連想していた。
ナビが1時間半と表示され、犬塚は眠る事にした。
■
垂水パーキングエリアで休憩中、
事態は急変する。
淡路島に鬼が現れたのだ。
テレビは夜の淡路島の惨状を放送している。
火災旋風と共に鬼がばっこしていた。
「これが吸血鬼の出方か?」
『まさに鬼ヶ島ですね。』
犬神達は淡路島へ急いだ。
やがて明石海峡大橋に差し掛かると、竜巻が発生している。
犬塚がつぶやく。
「天狗か、、苦手だな」
竜巻が橋を揺らしていて進めない、車を止めた。
西日本方面から梅田へ向かうはずの自衛隊応援が、
明石海峡大橋にも駆けつけたが、同じく足止め。
強力なサーチライトが橋を照らすと、
長い棒を持った山伏らしき人物が橋の上に立っている。
犬坂から電話が来た。
「大阪城上空に天狗が来ました。」
「明石海峡大橋にも天狗が居るぞ。」
現れた天狗は3体だった。
大阪城、明石海峡大橋、鳴門大橋。
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