アベンジ編2 勝算

スバルWRXで地下大阪城を出発する事にした犬神、犬塚。

なぎなたは後部座席からはみ出ている。

斜めに置いてパワーウインドウで挟んである。


コウモリがWRXの犬神を確認した。

甲冑を着ているので簡単にばれる。

なぎなたも目印となった。



USJのタルナーダは犬神達の行き先を推測する。

車は梅田には向かわず中央区を横切って行く。

港区方面?

助手席には侍の仲間。


焦っていると、自分の肌が突然緑色となった事に驚く。

ニューヨークでの成功を悟った。

河童の強固な皮膚での勝算を図る。


物々しい甲冑、未知数の侍、なぜ隠れ家がばれたのか。

皮膚強化成功しても来ないメール返信。

今からむやみに配下を増やせば、人々から強い反感を買う。

会敵すればコウモリ逃走は超音波で封じられる。


タルナーダは長年狼男から逃げおおせて、はるばる日本へ来た。

勘が告げている。

無数のコウモリに分かれて逃げた。



犬神のスマホに犬坂から電話が来た。

スピーカホンに切り替える。

「犬神さん、吸血鬼が移動を開始しました。

おそらく海を越えて四国に向かっています。」


「どうすれば?」


「逃げたのであればUSJには大した物は無いのでしょう。

四国へ追跡して下さい。

しつこく追跡し、お互い監視出来ている事をわからせるのです。

相手の出方を見たい。」


「了解」


電話を切ると乙姫がナビで淡路島を設定し、

ラジオをつけた。


一同は四国と聞いて伏姫のお遍路お出かけを連想していた。

ナビが1時間半と表示され、犬塚は眠る事にした。



垂水パーキングエリアで休憩中、

事態は急変する。


淡路島に鬼が現れたのだ。

テレビは夜の淡路島の惨状を放送している。

火災旋風と共に鬼がばっこしていた。


「これが吸血鬼の出方か?」


『まさに鬼ヶ島ですね。』


犬神達は淡路島へ急いだ。

やがて明石海峡大橋に差し掛かると、竜巻が発生している。


犬塚がつぶやく。

「天狗か、、苦手だな」

竜巻が橋を揺らしていて進めない、車を止めた。


西日本方面から梅田へ向かうはずの自衛隊応援が、

明石海峡大橋にも駆けつけたが、同じく足止め。


強力なサーチライトが橋を照らすと、

長い棒を持った山伏らしき人物が橋の上に立っている。


犬坂から電話が来た。

「大阪城上空に天狗が来ました。」


「明石海峡大橋にも天狗が居るぞ。」

現れた天狗は3体だった。

大阪城、明石海峡大橋、鳴門大橋。

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