魔王の手下として異世界転生させられました~使命はアイテム収集なのでアイテムトレジャーハンターに扮します

すみ 小桜

第1話 名を与えられました

 はあ……。死ぬかと思った!

 俺は、ミャル。このテソロピア大陸のアイテムトレジャーハンター。

 生きるためにこの生き方を選んだ。


 と言っても、魔王から仰せつかった命令もアイテム集め。

 つい、先日の事だった――。


 □


 俺は体が弱く、死んだら異世界転生をしたいです。と神様に願っていた。そしてある日、声が届いた。


 ――お前は死んだ。願いを叶えてやるかわりに、ある事をしてもらいたい。


 死んだ? 俺、とうとう死んだのか? ……ある事って何?


 ――転生先で、その世界の全てのアイテムを手に入れる事。勿論、一つずつでいい。


 え? でも、それって凄く時間がかかると思うし、手に入れられない物もあるんじゃないかな?


 ――問題ない。我が力を貸そう。契約をすれば力を渡せる。どうだ?


 うーん。どんな事が出来るようになるの?


 ――鑑定に空間ボックス。そして、一番欲しいであろう頑丈な体。


 頑丈な体! それって走り回れるって事?


 ――そうだ。魔法もある世界だ。魔法も使える。どうだ。我と契約をするか?


 第二の人生は、頑丈な体で魔法を使えるファンタジーの世界! お願いを叶えてくれるなんて!

 ありがとうございます! します! 契約! どうすればいいですか?


 ――では、名をやろう『ミャル』だ。その名で、契約をしよう。我が名は、マーガラス。我に忠誠を誓え。


 忠誠? なんか、イメージと違うけど。わかった!

 俺はミャル。マーガラス様に忠誠を誓い、アイテム集めをします!


 ――いいだろう。がたうなよ。ミャル。お前には、我と同じ魔族の体を与えよう。瞳は、特別な力を持つ魔眼。魔法は、空間魔法。それらを駆使し、全てのアイテムを手に入れよ。期待しているぞ、ミャル!


 うん? 魔族の……から……だ~!?


 暗かった空間が眩しく感じられ、目を閉じた。そして、目を開けるとそこは見知らぬ場所だった!


 まさかと思うけど、神様じゃなくて魔王とか?

 だったら俺は、魔王と契約しちゃったって事!?


 「嘘だろう!?」


 俺の大声が辺りに響いたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る